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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

子どもの兵士を利用している武装集団・部隊の数が40から57へ増加
安全保障理事会、子どもと武装紛争に関する国連事務総長報告を議論

【2008年2月12日 ニューヨーク発】

『武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書』発効からちょうど6周年を迎えた今日(12日)、国連安全保障理事会は武装紛争に巻き込まれている子どもたちの現状について公開討論会を開催した。

新たに発表された国連子どもと武力紛争事務総長の報告によると、子どもを利用していると確認された武装集団・部隊の数は、2006年の40から2007年の57に増加した。

その背後には複雑な現実がある。ひとつは、以前より監視状況が良くなり違反の報告が増えたことや、子どもを雇用している団体を見極める能力が向上したことの表れである。子どもを紛争に利用している団体が国内外の精査のもとに置かれているということでもある。

しかし他方では、チャドやスーダン、あるいはアフガニスタンや中央アフリカ共和国での新たな戦闘など、状況が悪化して子どもたちが今も雇用され続けている現実も反映している。 子どもを兵士に利用していると確認された集団が増加したことで、『選択議定書』の重要性がいっそう強調され、国際的な法律を作ること、この問題と闘うための監視および報告メカニズムを改善することも必要となっている。

しかし、悪いニュースばかりではない。過去6年間に、現状に対処するための数多くの前進が見られた。『選択議定書』を批准した国は、今では119カ国にのぼっている。また2007年2月以降、66カ国の政府が、武装勢力や集団によって非合法的に雇用または利用されないよう子どもたちを保護するためのパリ原則に署名した。

さらにチャド、中央アフリカ共和国、スーダンの武装勢力・集団との間で結ばれた少なくとも3つの和平合意の中にパリ原則が改めて表明され、コートジボワールでは子どもの雇用が中止された。

ルクセンブルク大公国妃殿下は今日の声明で、これらの進展は心強いものではあるが、現場にいる数十万人の子どもたちの現実を見れば、我々は共同で今後も引き続きこの許しがたい慣行と闘わねばならないと言及した。

ユニセフは、子どもと武力紛争に関する議長声明を安全保障理事会が今日(12日)採択したことに歓迎の意を表し、武装紛争によって影響を受けている子どもたちを守る各国政府の取り組みが強化される機会になると受け止めている。

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