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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

スーダンダルフールについての声明

【2008年6月22日 スーダン・ダルフール発】

例年10月の収穫までのこの時期、ダルフールの人々は食糧不足に直面するため、スーダンの人道支援団体・機関は不安定な状況を悪化させないよう、引き続き対策を講じる必要があることを警告する。

この潜在的な危機の根本には、域内で続いている治安の悪さが存在している。2008年に入ってからの5ヶ月間に、自分の家を離れざるをえなかった人々はあらたに18万人にも達した。

世界食糧計画からの輸送車両が攻撃されたことにより、ダルフールへの支援食糧の配送が大きく遅れ、5月以降の一般食糧供給率は40%以上減少した。これにより、少なくとも270万人が今後最低2ヶ月間は影響を受けることになる。

ダルフールで活動する人道支援団体・機関に影響を及ぼしている車両の強奪件数の増加(2008年は現在までに160台)は、救命支援の提供と質を阻害している。人道支援ワーカーも今年に入ってすでに8人が殺害されている。

さらに2007年、ダルフールの一般住民の穀物収穫高はかなり低かった。とくにダルフール南部では穀物収穫高が不足し、これに食糧価格の高騰が重なったことは、大きな懸念事項となっている。もし紛争や強制移動などで穀物栽培ができなければ、多くの家庭がより苦しい状況に置かれることになるだろう。

飲料水と衛生サービスもすでに限界に達している。もし人々が食糧不足によって疲弊すれば、まもなく始まる雨季に下痢や急性の呼吸器系疾患などの病気の影響がますます深刻となる見込みである。

これらの要因の影響を監視・査定し緩和するためには、人道支援組織・団体らがすべての地域社会に安全にアクセスできることが不可欠となる。支援団体が、時機を逃さず自由かつ制限なしに調査・査定を実施し、その結果を公表することができなければ、このようなモニタリングは成功しない。

今年の食糧難の期間、ダルフールの人々を最悪の影響から守る好機がある(もっとも、まもなくこの時期は終るが)。移動を余儀なくされた人々の一時的な増加や脆弱性が見られたものの、概してダルフールの栄養不良と罹患率は去年の同時期と同程度に今のところ落ち着いている。しかしながら、すべての関係者は今すぐに、人道支援団体が安全な監視活動と救命支援の実施ができるように行動しなければならない。これらの条件、とりわけ食糧供給を万全に行なうための治安条件が整わなければ、現状は悪化するだろう。

スーダンで人道支援を展開する我々はここに、これらの懸念に対処するため以下のような緊急の行動を要請する。この懸念はスーダン政府も共有しており、その多くはすでにスーダンに関するオスロ支援国会合およびハイレベル委員会で合意されたものである。

スーダン政府は公約に従って、護衛付きの食糧輸送車両が最低48時間ごとに1度はダルフールへの主要ルートを利用できるようにしなければならない。しかし食糧供給率を通常のレベルにもどすためには、護衛の有無にかかわらず毎日ダルフールに食糧支援トラックを走らせる必要がある。

人道支援団体を攻撃しているダルフールのすべての武装グループ(ダルフール和平合意に調印したか否かにかかわりなく)は車両の強奪をやめ、国際的な人道法や原則を尊重しなければならない。

スーダン政府は、専門的な人道的調査(栄養調査および穀物調査を含む)の結果を公表するという合意をすぐにも制定し、今後の調査結果の公表の遅れを最小限にとどめる必要がある。

国連・アフリカ連合合同ミッション(UNAMID)部隊は、民間人および人道支援団体とその資産の保護にいっそう尽力しなければならない。

最後的には、国内難民が自主的かつ安全に故郷に戻ることができるよう、また地域社会がその生活と生計手段を再建することができるよう、ダルフール危機の解決への合意がなされなければならない。その間、国内難民は引き続き難民キャンプを利用し、強制的あるいは望まない帰還から保護されねばならない。

現在の対応の失敗は、今後の数十日あるいは数ヶ月だけでなく、長期にわたってダルフールの人々の福祉と開発に深刻な影響を及ぼすだろう。

本声明には、次の国連スーダン・チームにより署名された。

  • 国際移住機構(IOM)
  • 国連人道問題調整事務所(OCHA)
  • 国連児童基金(UNICEF)
  • 国連食糧農業機関(FAO)
  • 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
  • 国連合同物流センター(UNJLC)
  • 世界食糧計画(WFP)
  • 世界保健機関(WHO)

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