日本政府、スーダンの子どもの健康を改善するため資金拠出
ユニセフに580万米ドル、予防可能な病気と取り組む活動を強化
【2008年8月14日 ハルツーム発】
日本政府がユニセフに580万米ドル(およそ6億1800万円あまり)を拠出し、スーダン国内の感染症への取り組みに支援を継続することを決めたため、今年のスーダンの子どもの健康は大きく前進することになるだろう。
この拠出金はプライマリー・ヘルス・ケアの基本的なサービスを提供するために利用され、約550万人がその恩恵を受けることになる。具体的には以下の通り。
- ワクチンや予防接種の備品の提供
- 殺虫処理された蚊帳15万張の提供とマラリアの医療治療
- プライマリー・ヘルス・ケア・センターのための医薬品キットの提供
- 水を媒介とする感染症の影響を受けている子どもの治療のための経口補水塩と医薬品の提供
- 新生児破傷風の調査および監視
- ヘルス・ワーカーの調査の支援マラリアなどの病気の診断・治療に関する研修の実施
- 地域社会に対し子どもの健康を守るよう奨励するための意識向上および情報キャンペーン
石井祐一在スーダン日本大使は今回の資金拠出に当たり、次のように述べた。
「日本政府は、2000年以来ユニセフを通じてスーダンの子どもたちの感染症の予防対策を支援してきた。日本の援助により、ユニセフやスーダン政府、パートナー団体・機関がスーダンの感染症予防のために続けてきた活動をいっそう支援できることを心から希望している。」
ユニセフ・スーダン事務所のテッド・チャイバン所長は日本政府の支援に感謝し、プライマリ・ヘルス・ケア・サービスが子どもの生存と発達を強化するためのスーダンの努力に不可欠なツールであると強調した。
「スーダンは包括和平合意に署名して以降、子どもの健康を守ることにきわめて大きな進展を見せている。昨年だけでも、ユニセフとWHOなどのパートナー団体・機関は子ども890万人分のポリオ・ワクチンと350万人分のはしかワクチンを提供し、マラリアから人々を守るための蚊帳91万張を配布した。我々はスーダン子どもの生存推進イニシアチブの一環として、子どもの命を救う効果が立証されている、コミュニティベースの総合的保健ケアを展開する手助けをすることで、これらの重要なイニチアチブへの支援を継続したいと考えている。」
2006年のスーダン世帯保健調査によると、5歳未満児死亡率は包括和平合意前の1000人当たり156人から112人に減少した。しかしながら、全ての主要な感染症の予防接種を受けたのはスーダンの子どものわずか3分の1未満。また、女性の半数以上が新生児破傷風の予防接種を受けておらず、マラリア予防のために蚊帳を使っている家庭も5分の1に満たない状況である。
予防接種のように対費用効果の大きい方法で子どもの感染症に取り組むことが、死亡率の継続的な減少を助ける。他のアフリカ諸国で、子どもの生存に関する活動への投資が、子どもの死亡率を平均20%減少させていることが明らかになっている。
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