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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

緊急事態にあるジンバブエの教育制度

【2008年10月9日 ハラレ発】

ユニセフは9日、ジンバブエの学校の状況をモニタリングするための定期訪問を2週間にわたり実施した結果、ジンバブエの教育制度の悪化に深刻な懸念を表明した。かつて活気に満ちていた教育を取り戻すために、すべての関係者が、現在の危機に緊急に対応する必要があると続けた。

1週間の小・中・高校に関する全国調査で、授業に出てくる教師が全体の推定40%あまりであること、生徒の出席率が全体の3分の1であること、地区の教育行政官に国家試験を行なうための十分な準備がないことなどが明らかになった。

ジンバブエ教員組合(ZIMTA)も最新の報告のなかで認めているが、現在の教育危機によって、全国で学校の機能が低下しており、教育は明らかに緊急事態にある。

ユニセフ・ジンバブエ事務所のローランド・モナッシュ所長は次のように述べた。「2ヶ月にわたる教師のストライキ、学習教材の不足、政治的な暴力行為、避難などで、ジンバブエの子どもたちはこの1年間教育を受けることができなかった。学校での教員不足、現職の教師らが直面している通勤や食糧の問題、そして資源の欠如によって、教育が崩壊の危機に瀕している。」

かつてアフリカで最高水準にあったジンバブエの教育制度は、いまや大きな課題に直面している。政府の教育予算は実質的に縮小し続け、学費は多くの人々の支払い能力を超えており、給与の安さから教師の不足や現職教員の意欲低下を招くなど、過去の成功からほど遠い状況である。

この危機は高等教育にも影響し、主な国立大学はすべて8月から始まっているはずの2008〜2009年度第1学期に開講することができなかった。

「ジンバブエの長期的な展望にとって、教育は原動力である。それが崩壊されたままにならないようにするためには、給与や食糧、労働条件についての問題にすぐにも解決策を見出し、巡回訪問を強化し、学校の現状に緊急の対策活動を行なうことが重要である。ジンバブエの子どもたちはすでに様々な問題で苦しんでいるため、かれらの将来をより良いものにする教育を否定することは決してできない」とモナッシュ所長。

ユニセフは、学校が子どもたちに教育を提供するだけでなく、今のジンバブエの困難な状況のなかで家庭の圧力から逃れる場を提供することも必要だと考えている。子どもたちはこのようなサポートをまだ受けていない。

しかしながら、昨日になって教師への給与の増額や試験のスケジュールが発表されたことをユニセフは歓迎しており、現状改善のために政府を支援する準備があると述べた。

ユニセフはこれまでにも、教育スポーツ文化省を支援してきた。この2年間にユニセフは教育分野に約1200万米ドルを出資し、以下のような活動を実施している。

  • 全国の学校で教室の建設や学校用備品の整備
  • 小学校に1人1冊の教科書配布
  • 幼児の発達と生活技能について教員研修の実施
  • 農村部の学校にボアホールやトイレ、手洗い施設の提供

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