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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

ラオス:妊産婦と新生児の死亡率減少の取り組み

【2009年3月10日 ビエンチャン発】

東南アジアの最貧国のひとつであるラオスは先週、世界女性の日を祝う式典で、妊産婦と新生児の保健の基準を改善する対策活動に国家として着手することを発表した。政府高官、保健の専門家、地域社会の代表、国際組織などが一同に会した議論はテレビで放送された。

保健省衛生局のソムチット・アカボン副局長は、「わが国では死亡率が高いことがいまだに特に大きな問題である」と述べた。しかしながら、全国700ヶ所に保健所を設立し医療スタッフの訓練を飛躍的に増やすなど、その改善に向けた素地を固めつつあることにも言及した。

「母親がこれらのサービスを利用する大切さを理解し、地域社会が母子保健を支援し参加することが重要である」とソムチット副局長は付け加えた。

政府統計によると、ラオスでは妊娠と出産に関連する病気で1日当たり平均3人の女性が死亡し、また出生児1000人中70人が生後1年以内に死亡する。最も孤立した農村部では、医療施設や専門技能者が付き添う出産を利用せずに自宅で出産する女性が95%にものぼっている。

ラオス国民議会の議員で小児保健の専門家でもあるPhonethep Pholensa博士は、農村部の女性たちが必要としているケアを受けることができるようにしなければならないとして、次のように述べた。「我々はまだ、これらの問題に根本的に取り組んでいない。地域レベルで資金と人員を動員することが必要である。」

ラオス女性連盟(LWU)のBandith Pathoumvan副会長を議長として、県レベルの保健サービスなど広範なテーマが議論された。

ユニセフ・ラオス事務所のライラ・イスマイル・カーン所長は、報告書が多面的なアプローチの重要性を強調していることを指摘した。「妊産婦と新生児の死亡を防ぐためには、出生の前後における十分なケアを提供する必要があるだけでなく、栄養や安全な飲料水、衛生と公衆衛生を強化するとともに、女性の権利が尊重されるような社会環境を作り上げていかねばならない。」

報告書の提言の中心は、家庭や地域社会のケア、アウトリーチ・サービス、施設での医療など総合的な保健制度を通じて基本的なサービスを提供することにある。

ラオスでは保健省が母子保健センターと協力し、妊産婦、新生児、子どもの保健ケア・を包括サービスとして行うことで、上述のアプローチをとろうとしている。その中には家族計画、妊娠と出産のケア、新生児ケア、母乳育児、栄養補充、母子の予防接種、病気の子どもへの総合的なケア、微量栄養素の補足、殺虫剤処理された蚊帳の利用、虫下し剤などが含まれる。

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