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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

女の子の権利の保護が開発目標の達成に重要
ジェンダー差別の撤廃と女の子の福祉対策の推進に国会議員が集結

【2009年4月8日 アジスアベバ、エチオピア発】

各国の国家議員らが今日(8日)エチオピアの首都アジスアベバに集結し、開発目標を達成するため、女の子の権利を守り、ジェンダーに根ざした差別を終結させる活動を緊急に推進するために協議する。

列国議会同盟(IPU)第120回総会に出席する議員らは、生存、保健ケア、教育、保護、参加などに関する思春期の女の子の諸権利の保護に果たす自らの役割について議論する。

IPUのテオ・ベン・グリラブ議長(ナミビア国会議長)は次のように述べた。「差別に取り組み、女の子の福祉とエンパワーメントを推進することは、開発の主要課題であり、ミレニアム開発目標の達成に欠かせない。ジェンダーに根ざした差別は我々の社会に浸透しており、緊急の課題として取り組む必要がある。もっとも被害を受けている女の子の問題はしばしば忘れ去られ、問題が表面化しない。我々は彼女たちの窮状を明らかにする必要がある。」

ジェンダーに根ざした差別と不平等は、文化的伝統や経済的、社会的、政治的規範によって世代から世代へ受け継がれ、女の子に計り知れない悪影響を及ぼしてきた。学校に通えなかったり、身体的、精神的、性的虐待や経済的搾取の被害にあっている世界中の子どもたちの多くは女の子である。女の子は人身売買の犠牲に遭いやすく、誘拐されたり人知れず死亡したりしている。

女の子を対象とした学校教育、ライフ・スキル、社会的機能、暴力からの解放、積極的な保健慣習の実施、性と生殖に関する教育やサービスなどを推進するプログラムは、あらゆる開発目標に波及的な効果を及ぼす。妊産婦の死亡率やそれに相関する子どもの死亡率を減らし(ミレニアム開発目標4・5)、HIV感染率を減らし(同6)、ジェンダーの平等を推進し(同3)、貧困削減に貢献する(同1)。

ユニセフ本部プログラムディレクターのニコラス・アリプイはこう述べた。「安全が確保され、健康的で教育を受け精神的にもエンパワーされた女の子は、貧困に立ち向かい前進することができる。また自分自身を大切にし、個人として、また能力ある母親として地域社会や国家のため経済的に貢献することも可能だ。適切な機会があれば、女の子は早婚や多産にならず、所得の約9割を家族のために使うことができるだろう。女の子の対策実施により、女の子だけでなく社会全体が受益者となるのである。」

教育を受けエンパワーされた女の子は、貧困の悪循環を打破できるという大きなインパクトがあるにもかかわらず、そこに使われる国際社会の開発資金は全体の半分にも達していない。


  • 女子教育への投資
    女の子は、貧困、家事手伝い、結婚、妊娠などの理由で、学校に通っていないことが多い。学校に通っていない青少年は保健情報やサービスの伝達が難しく、暴力や弾圧を受けやすい。
  • 女の子へのいかなる暴力も根絶する
    議員は、子どもに優しい学校や地域社会を支援するための行動をとることができる。法執行機関、保健ケアの提供者、コミュニティのリーダーに対し、女の子をあらゆる形態の暴力から守り、暴力の犠牲となった女の子に支援を提供する責任があると認識させることもできる。生活環境に暴力が存在しているが、とりわけ性的暴力が青少年の間で増加しつつある。早婚、女性の性器切除、商業的性的搾取を目的とする人身売買、性的な利用のために軍事勢力によって行なわれる誘拐などは、女の子が直面している問題のごく一部である。
  • 官民の連携を確立し、女の子が教育を終えた後、仕事につく機会を提供する
    女の子に技能を修得させ、自分の生活について重要かつ定期的な意思決定に等しく参加する機会を強化することが重要である。また、女の子のリーダーシップ能力やネットワークの開発を支援し、経済的自立を支援する必要がある。

国会議員らは各国の憲法のもとで、女の子が国の社会・経済に等しく参加できるようにするためにいかにして彼女たちの声を聞き、ライフ・スキルを確立できるよう支援するかを議論した。

女の子の福祉を推進するために重要なことは、なかでも最も疎外されている(社会的に疎外され、忘れ去られた家庭で保護も受けずに暮らしている)女の子たちに支援を行うことである。

アリプイ議長はこう述べた。「我々は、表面化していない問題に直面している子どもたち全てに支援の手を差し伸べる必要がある。もっとも疎外されている女の子に対しては、いっそうの努力が必要である。全ての女の子を保護しサービスを届けるためには、具体的な対策活動と支援の増額が必要とされている。」

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