世界食糧危機の影響を受けた子どものため
日本政府がユニセフ・エチオピア事務所に600万米ドルの資金拠出
【2009年4月15日 アジズアベバ発】
日本政府は今日(15日)、弱い立場にある子どもたちが受けた食糧価格高騰の影響を緩和するため、ユニセフ・エチオピア事務所に対し600万米ドルを拠出すると発表した。
今回の寄付は、エチオピア政府が世界的な経済危機の影響に対応するため、日本政府からユニセフ・エチオピア事務所に対して行なわれる最大規模の寄付のひとつである。食糧価格の高騰により、自給自足の農業が中心のエチオピアでは、自らが必要とする食物を育てるために必要十分な土地を持たない最貧層の人々が特に深刻な影響を被った。
駒野欽一駐エチオピア大使は次のように述べた。「エチオピア国内の脆弱な地域では、価格高騰が日々の生存をいっそう厳しいものにしている。日本政府はその苦難を思い、影響が最も深刻な子どもたちの負担を減らすため、ユニセフを通じて支援を行うことにした。」
日本政府の寄付は以下を対象とした支援に使われる。
- エチオピア保健省の地域栄養活動を通じて、オロミア州とアムハラ州内の食糧供給が不安定な地域に住む子ども87万人
- 社会保護プログラムを通じ、現金の支給や小規模ビジネスの開業資金の融資という形で、食糧供給が不安定な地域に住む子どもとその家族8,000世帯
- アジスアベバの都市部保健拡大プログラムを展開し、50万人以上の子どもたちに基礎保健サービスを提供
ユニセフ・エチオピア事務所テッド・チャイバン代表は次のように述べた。「世界的な経済危機は、エチオピアにおいて過去10年あまりかけ達成されてきた子どもの生存に関する成果の維持を難しくしている。日本政府の今回の支援は、エチオピアがこの危機に立ち向かい、エチオピアの子どもたちのためにこれまでの成果を確かなものとし、また維持していく助けとなるだろう。」
エチオピアの5歳未満児の死亡率は、1990年と比べ40%以上減少した。エチオピア政府の保健拡大プログラムは、もし十分な支援があれば、基本的な予防保健サービスや栄養、衛生対策活動などを地域社会レベルで実施し、子どもの保健状態を持続的に改善すると期待されている。
「ユニセフは、子どもの保健と栄養の改善に強い意欲を持っているエチオピア政府と、エチオピアのこの分野に対する日本政府の継続的支援に対し、心から称賛を送りたい。子どもたちが世界的な景気後退の影響をさらに受けるということを許してはならない。今回の寄付は、あえて経済危機というこの困難な時期に、エチオピアの開発にとって重要な投資が行なわれた積極的な前例となる」チャイバン代表はこのように述べた。
ユニセフに対する今回の日本の資金拠出は、食糧価格の高騰と地球温暖化が子どもに及ぼす影響に対処するため、日本政府からエチオピア政府に対して行なわれる1,300万米ドルの資金拠出の一部である。
|トップページへ|コーナートップへ戻る|先頭に戻る|