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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

ユニセフ(国連児童基金)
イエメン北部の状況悪化を懸念

【2009年10月13日 アンマン・サヌア・ジュネーブ発】

イエメン北部での武力戦闘が激化してからすでに8週間。人道支援機関は依然として、紛争地帯に立ち入ることを許されていません。紛争で避難を余儀なくされた15万の人たち(女性と子どもがほとんど)の多くに、そして、紛争地域から逃げ出すことができない人たちに人道支援を送り込むことができないでいます。

「日いちにちと状況が悪くなっています」と語るのはイエメン・ユニセフ事務所のアブドウ・カリム・アジバデで代表。「ここ数週間、何千もの子どもたちが安全な飲み水、食料、衛生的な環境を手に入れることができずにいます。栄養不良が増えており、子どもたちの健康、そして生活そのものが脅威にさらされています。」

推定2万人の避難民がシェルターを求めていたハッジャ県で、ユニセフはアルマズラク・キャンプとその近郊にいる避難民の人たちに人道支援を行っています。具体的には以下のような活動です:

  • 外来で栄養不良ケアのプログラムを展開し、急性の栄養不良の子どもを早急に検知し、治療できるようにすると共に、医薬品とすぐに口にすることができる栄養治療用食品など基礎的な支援を提供。
  • 避難民キャンプにいる女性からボランティアを20人選び、研修を実施。急性の栄養不良の子どもたちを探し出す方法、母乳育児の推進、個々の人たちの衛生知識の推進の方法などを伝授。
  • 避難民と避難民たちを受け入れてくれているコミュニティのために井戸を掘り、安全な水を提供。
  • 飲み水の提供を1日16万リットルに増強。これは現在の避難民の数から計算して、一人当たり23リットルの量。
  • コミュニティの協力を得て、家庭用トイレを新しく40基設置。

学校に通う子どもたちは、新学期に入って2週目。ユニセフは、教育省と協力し、避難民の子どもたちを登録し、近くの学校に通えるよう配慮しています。10月9日現在、地元から通う子どもたち200人に加え、避難民キャンプに登録されている子ども600人が学校に通っています。児童の急増に対処するため、従来の教員に加え、新たに5人の教員が雇用されました。

ユニセフはすでに2,000組の教育用キットを提供。また、ボール、縄跳び、画用紙が入ったレクリエーション・セット100組を提供する予定です。

このような支援を必要としている避難民はまだ何千人といますが、治安が悪いために支援を送り込むことができないでいます。

サウジラビア政府は、イエメンのバキムという国境の町近辺で、支援を必要としながらも身動きできないでいる人たちに対して、人道支援機関が支援物資を送り込むことができるよう、サウジアラビア経由での物資の運び込みを許可するつもりだと発表しました。ユニセフ、そのほかの機関は、必要なビザがおり次第、このルートを使う予定です。

ユニセフは、ほかの人道支援機関と共に、国際人道法に則り、紛争の影響を受けている人たちへのアクセスを許可するよう、イエメン政府に再度要請を行いました。

ユニセフは、イエメン北部での緊急支援のために610万米ドル(約5億6,300万円)にのぼる資金援助を要請していますが、現在までに受け取られた援助額、あるいは約束されている援助額は290万米ドル(約3億450万円)にとどまっており、引き続き支援をお願いしております。

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