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報告書「子どもの栄養状況の改善」を発表
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© UNICEF/BANA2012-00879/AHSAN KHANBANGLADES |
このユニセフの報告書では、栄養分野への取り組みの拡大と政策の改善、具体的な施策、行動の変化によって成果を挙げている11カ国−エチオピア、ハイチ、インド、ネパール、ペルー、ルワンダ、コンゴ民主共和国、スリランカ、キルギス、タンザニア、ベトナム−を紹介しています。
発育阻害によってダメージを受けた子どもの体と脳への影響は一生涯続き、その後のその子の学業や勤労収入に影響を及ぼします。発育阻害は、個人の抱える問題だけでなく、しばしば国家の発展を阻み、世代から世代へと引き継がれる問題でもあるのです。また、発育阻害の子どもは、発育阻害でない子どもに比べ、感染症で命を落とすリスクも高まります。
発育阻害の子どもが6100万人いるインド。国内で最も経済的に豊かで、人口が2番目に多いマハーラーシュトラ州では、2005-2006年には、2歳未満の子どもの39%が発育阻害でした。しかし、子どもの栄養の改善のために最前線で働く方々の多大なるご協力の下、実施された州の栄養調査によると、2012年には23%に減少。取り組みの成果が明らかになりました。
ペルーでは、子どもの栄養不良のための「5by5by5」イニシアティブを実施。こうした取り組みにより発育阻害の子どもの割合が2006-2011年の間に3分の1まで減少しました。このイニシアティブは、5年のうちに5歳未満の子どもの発育阻害を5%削減することを目標とし、このイニシアティブへの署名と、都市部と農村部の格差の是正を政府関係者に求めました。また、成果を収めた小規模のプロジェクトの経験を生かしつつ、他分野と連携した栄養分野の活動を実施。さらに、最も弱い立場にある子どもと女性と、地方行政の構造に焦点をあてた取り組みも行いました。
エチオピアでは、2000-2011年の間、発育阻害の割合が57%から44%に削減。また5歳未満の子どもの死亡率も出生1000人あたり139人から77人に減少しました。国家の栄養プログラムには、最も貧しい地域にセーフティーネットを提供すること、コミュニティを通じて栄養支援を促進することも含まれています。
発育阻害とその他の栄養不良を防ぐ方法は、すでに存在しています。妊娠中の女性に鉄分や葉酸の摂取を促すこと、新生児には出産後すぐに母乳を与え、生後6ヵ月間は母乳のみで育てること、適切な時期に固形の食事を与え始めること。そして、健康を気にかけ、適切な衛生習慣を身につけ、トイレを使えるようにすること。こうしたすでに効果が明らかになっているシンプルな方法を組み合わせることで、発育阻害や栄養不良は防げるのです。
今こそ、目標達成に向けた各国の取り組みを加速させ、子どもの栄養不良について世界に発信し、支援が必要な時なのです。