![]()
繝。繝九Η繝シ繧偵せ繧ュ繝�プ
8月1日から8月7日までは「世界母乳育児週間」です。ユニセフは、母乳育児が子どもの命を守る最も費用対効果が高い取り組みである点に注目していますが、6ヶ月間の母乳のみで育てられる、いわゆる完全母乳の赤ちゃんは半数未満です。母乳育児をすすめるには、強いリーダーシップが不可欠です。 ユニセフ事務局次長のギーダ・ラオ・グプタは「母乳育児ほど、母親と子どもにとって効果が高く、政府にとっても経済的である方法は他にありません。母乳は赤ちゃんにとって、免疫を得ることができる人生で最初の“予防接種”であり、最も費用対効果が高い、命を守る方法なのです」と述べています。 ■生存率を14倍も高める母乳
完全母乳で育った子どもは、そうでない子どもに比べて、生後6ヶ月を生き延びる確率が14倍も高くなります。生後すぐに母乳を与えられた赤ちゃんは、新生児期に死亡するリスクが最大45%も減ります。 加えて、母乳育児は子どもの学習能力を高め、肥満や慢性疾患などの予防にも効果があります。アメリカとイギリスにおける最新の研究では、母乳で育てられた子どもは、そうでない子どもに比べて病気にかかることが少なく、医療費負担が少ないことがわかりました。 赤ちゃんに対する利点だけではありません。完全母乳育児を行った母親は、産後6ヶ月間に妊娠する可能性が低くなり、回復も早く、より早く産前の体重に戻ることができます。産後うつにかかる可能性や、子宮がんや乳がんにかかる可能性も低くなります。 ■完全母乳で育つ子どもは2.5人にひとり
世界的に母乳育児の利点は大きいものの、2012年に、完全母乳で育てられた6ヶ月以下の子どもはわずか39%です。母乳育児率が低い地域が多いことや、母乳育児を行っている母親への支援体制が欠如していることにより、過去数十年に渡って、完全母乳育児率に大きな改善はみられません。 一方、母乳育児に対して支援方針を定め、すべてのコミュニティに対する包括的なプログラムを行っている国々では、母乳育児率は著しく向上しています。 中国の完全母乳育児率はわずか28%です。消費者は他国でも粉ミルクを買い占め、現地で粉ミルクが不足するといった事態も起きました。 世界第一位の人口を有する中国で、完全母乳育児率を上げるために、ユニセフと中国女性と子どもの保健センターは、5月に「10m2of Love(愛の10平方メートル)」キャンペーンを開始しました。母乳育児への意識と支援を高めるため、基準を満たした授乳室を設け、専用ウェブサイト(unicef.cn/10m2)に登録し、広報しています。現在、授乳室の場所を探せる携帯電話専用のアプリも開発中です。 完全母乳育児率が改善されている国々もあります。カンボジアでは、完全母乳で育てられる6ヶ月以下の赤ちゃんの割合は2000年に11.7%でしたが、2010年には74%にもなりました。1990年代の完全母乳育児率は、トーゴでは10%、ザンビアでは20%でしたが、2000年には60%以上になりました。 完全母乳育児率が低下している国々もあります。 チュニジアでは、完全母乳育児率は2000年には46.5%でしたが、2010年末にはわずか6.2%までに減少しました。インドネシアでの完全母乳育児率も減少しています。ナイジェリアでは、この数年進展はありません。最も完全母乳育児率が低いのは、ソマリア、チャド、南アフリカです。 ■生後6ヶ月は完全母乳育児を
費用対効果が高いにもかかわらず、完全母乳育児が広まらない背景には、母乳育児への世界的なリーダーシップが十分でなく、母乳が子どもの人生に与える重要性が低く見積もられていることをあらわしています。母乳育児の優先度を高く設定し、取り組み、方針を定め、世界的に広めることが求められているのです。 本来、母乳育児とは、極めて自然で本能的なものですが、母乳育児を可能とするための環境を整えることも不可欠です。専門的な技術を持つ保健スタッフや地域の人の協力を得られれば、母親は母乳で赤ちゃんを育てられます。また、文化に配慮したコミュニケーションや、粉ミルク販売促進マーケティング、産休への保護的な法律や指針も必要です。 ユニセフは、生後6ヶ月間は完全母乳を行い、2歳またはそれ以上まで母乳を与え続けることを推進しています。 現在、ウルグアイとアルゼンチンでは、ワーキングマザーの母乳育児を広めるために、ウルグアイの女優ナタリア・オレイロ(Natalia Oreiro)を起用し「母乳を与えることはあなたにとってもベスト」キャンペーンを実施しています。
|