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死亡・死産する新生児は年間550万人
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© UNICEF/NYHQ2012-2266/Susan Markisz |
毛布に包まれて眠る赤ちゃん(グアテマラ)。 |
世界では、1分に10人の赤ちゃんが死亡または死産しています。毎年、550万人もの命が、人生が始まると同時にその終わりを迎えているのです。こうした死亡の大多数は、早産や出生時の合併症、新生児の感染症など、予防可能な原因によるものです。
1990年以降、子どもの死亡率はほぼ半減した一方で、子どもの死亡率全体における新生児死亡率が占める割合は、増加しています。この点は、5月上旬に医学雑誌『ランセット(The Lancet)』に発表された論文でも指摘されています。
ユニセフ事務局長のアンソニー・レークは「乳幼児死亡率を世界的な優先事項に据え、イノベーション(技術革新)、パートナーシップ、公平性に徹して取り組むことで、急速な削減を実現しました。これと同じく、新生児死亡率も世界的な義務として政治的意思をもって、すべての家庭に支援がたどり着く新たな方法を模索しながら取り組む必要があります」と述べました。
新生児死亡は、貧しい世帯ほど多くなります。こうした傾向が続けば、たとえば中央アフリカに生まれた新生児が、カナダに生まれた新生児と同じだけの生存の機会を得るようになるには、100年以上かかります。
レーク事務局長は、妊産婦、新生児、乳幼児死亡率の削減への世界的な支援を呼びかけるカナダ政府のリーダーシップを歓迎しました。トロントサミットでは、新生児、乳幼児、保健における進展をスピードアップするための最も効果的な方法が模索される予定です。
子どもが生まれたときに公的な登録を行い、子どもの数をより正確に把握できるようになれば、新生児と乳幼児の健康の改善につながります。
2012年だけで、世界で生まれた赤ちゃんの5人に約2人は出生登録されませんでした。世界中では、5歳未満の子どもおよそ2億3,000万人が、一度も公的にその存在を記録されていません。出生登録がされていないとうことは、保健や教育、そのほかのサービスを利用するのに必要な法的な証明を持っていないということになります。対策をとらない限り、公的登録を持たない子どもの数は増え続けます。
出生後すぐに登録される子どもの数が増加すれば、政府は子どもたちの命を守る計画や予算を改善できるようになり、その達成に必要な政治的意思と市民社会による支援を集めることも可能となります。
「今年は、子どもの権利条約採択から25周年にあたります。今なお何百万人もの子どもたちが、生きるという最も貴重な権利を奪われています。我々は、すべての世帯、すべての女性、すべての子ども、すべての新生児に支援を届けなければなりません」とレーク事務局長は強調しました。
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