国際衛生年記念 連続シンポジウム・セミナー
第3弾 CSRセミナー「衛生的な環境が守る子どもたちの命」開催
【2008年4月4日 東京発】
2008年4月4日(金)、東京都港区のユニセフハウスで国際衛生年記念連続企画の第3弾、CSRセミナー「衛生的な環境が守る子どもたちの命」が開催され、水と衛生分野における公益団体と企業の実践パートナーシップの事例が紹介されました。
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© 日本ユニセフ協会/2008 |
事例報告1:
ダノンウォーターズオブジャパン株式会社 Volvic 1 L for 10 Lプログラム
1L for 10L プロジェクト・リーダー 吉沢直大氏
ダノンウォーターズオブジャパン株式会社は、「企業の経済的成長と社会の発展は歩みを共にしなければならない。」という企業理念を持っています。そのような企業理念のもと、日本における民間ならではの水と衛生に対する取り組みとして、マリ共和国において日本ユニセフ協会と共同で行っているVolvic 1 L for 10 Lプログラムの事例を報告されました。
「Volvic 1 L for 10 Lプログラムでは、 ①事業領域に関連する問題に取り組む、 ②持続性を重視した支援をする、 ③消費者が参加しやすい内容である、 ④プログラムを効果的に広める告知活動をする、という4つのポイントを重視しています。Volvicの売り上げの一部をユニセフに寄付し、その支援金を使って、ユニセフがマリ共和国に井戸を作り、10年間のメインテナンスをするために必要なキットやトレーニングを地元の人々に提供することで持続性のあるプログラムとなっています。」
「2008年2月〜3月に現場を視察しましたが、我々の作った井戸の水は飲み水にも使われていますし、料理にも使われている。子ども達が体を洗う際も衛生が保たれている状況になっていました。それから、水があることからいろいろな副次的な効果がありまして、家畜の数が増えていました。また、今までは自分たちが飲むだけで精一杯だったのが、農作業にも水を使えるようになっていました。この様に、井戸ができただけで生活が改善されたのが、我々自身の目で見て分かりました。」
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事例報告2:
王子ネピア株式会社 子どもの健康を支える
“うんち教室プロジェクト”
マーケティング部 今敏之氏
王子ネピア株式会社は、子ども達が楽しく“うんち”について学ぶ機会を提供することで、日本の子ども達に対する健康・環境教育普及活動を行っています。2007年に5校の学校で実施した“うんち教室”では、うんち日記などを通して、子ども達がうんちと健康、生活習慣との関係を楽しく学ぶことができました。
「日本の学校では、『子どもたちはうんちをすることが恥ずかしく、うんちをガマンしてしまう』ということがよくあるそうです。我々は、うんちやトイレットロールについての正しい知識を伝えて、元気よくトイレに行ける環境作りを目指し、うんち教室を始めました。ティッシュという商品は、ブランドの差別化が難しくなっており、売り上げ競争が激しい中で、昨年ティッシュとトイレの原点に戻り、社会との関わりを考えてみました。そして、企業とは、本来社会を良くするために頑張り、支持を得るべき存在であるということに改めて気がつきました。今後は自分たちの事業の原点に立ち、自分たちの使命を自分たちのやり方でお客様に提案していきたいと思っています。」
企業の強みをいかした社会貢献
事例報告後行われたパネルディスカッションには、公益団体として活動を行っている日本トイレ協会の加藤篤氏、日本ユニセフ協会の浦上綾子が加わり、王子ネピア株式会社、ダノンウォーターズオブジャパン株式会社とのそれぞれの取り組みについて、企業とパートナーシップを組むことでできる社会貢献の強みについて報告しました。また、企業のお二人からは、プロジェクトを通して得られた成果などが紹介されました。
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日本トイレ協会 加藤氏
「今までうんちに関しての教室はやってきたのですが、企業と取り組むことで、内容の質が高まりました。例えば、「うんち日記」という冊子をつくって配布したことで、家に帰った子どもたちにうんちチェックを実践してもらうことができ、継続してうんちについて関心を持ってもらえるようになりました。また、企業のクリエイティブチーム(デザイナーやコピーライター等)と協働作業をすることで、表現力などの面でサポートしていただき、自信につながりました。」
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日本ユニセフ協会 浦上
「より多くの人とコミュニケーションを行い、関心を持っていただき、協力していただければ、との思いがある一方で、自分たちができることには限りがあります。1L for 10Lでは、Volvicが得意とされるコミュニケーション活動を通じて、広く、多くの方に水の問題について知っていただき、その反響の大きさを実感しています。お互いの強みや専門分野をいかし、バランスのとれたパートナーシップが実現できたと思います。」
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王子ネピア株式会社 今氏
「『自分たちは良い活動をしているのだな』という意識が社員の中で増え、社員の企業に対する考え方が変わってきたのが大きな成果だったと思います。」
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ダノンウォーターズオブジャパン株式会社 吉沢氏
「現地では様々な困難があったのですが、社員がボランティアを名乗り出てくれるなど、会社が全面的にサポートしてくれ、社員の自発的な行動を通して、企業の中が明るく元気になりました。プロジェクトが成功したのは、プロジェクトに携わっている全員が、現地の人々に対する思いを共有し、それを消費者に伝えたいという熱意があったからだと思います。」
パネルディスカッション後の質疑応答では、来場者の方々から、うんち教室を全国的に実施してほしいとの要望や今後の活動予定に関する質問、1L for 10Lの今後の展望などの質問が寄せられました。
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一人でも多くの子どもたちに適切な衛生施設(トイレ)を提供し、適切な衛生知識を普及するためには、皆様からの息の長い支援が必要です。暖かいご支援とご協力をお願い申し上げます。
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