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ガザ地区:
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© UNICEF/NYHQ2014-1046/El Baba |
ガザ市にある病院の外で幼い息子を抱えながら診察を待つ女性。 |
一時停戦のさなか、ユニセフはガザの子どもたちへの支援を引き続き行っています。しかし、何十万人もの子どもたちの生活再建のための支援を行うには、持続的な和平が必要です。
ユニセフ事務局次長のヨーカ・ブラントは「今回の戦闘はこれまでの中で最も激しく、貧困を深めるものとなり、子どもたちへ大きな影響を及ぼしています。ガザの人口の半数を占めるのは子どもたちです。ユニセフは、パートナー団体と共にケアと支援を行っていますが、子どもたちのニーズはとても大きく、そして急を要するものです」と述べました。
8月11日〜13日、ブラント事務局次長はユニセフ・中東・北アフリカ地域事務所代表のマリア・カリヴィスと、ユニセフ・パレスチナ事務所代表の功刀純子と共にガザを訪問し、ユニセフ・ガザ現地事務所のスタッフ16人と面会。また、ガザでは避難生活を送る子どもたちや負傷した子どもたち、イスラエル南部のスデロット(Sderot)でも子どもたちと会いました。
ブラント事務局次長は、停戦を受け、ユニセフの支援する技術チームが、空爆や攻撃の被害を受けた水道管や衛生システムなどの重要なインフラの修理を開始したことを報告。安全な水と衛生用品が最大11万人に提供され、病院と保健施設に医薬品や備品を届けることもできました。避難所6カ所に安全で子どもにやさしい空間が設置され、深刻な精神的苦痛がみられる約6,000人の子どもたちが心のケアを受けました。
© UNICEF/2014 |
水の供給所で、列になって水を汲む子どもたち。 |
カリヴィス地域事務所代表は「ユニセフはパートナー団体と共に、できるだけ多くの子どもたちに、必要な支援を届けるべく活動しています。人道支援関係者が活動するのに必要な場所を確保できれば、子どもたちへの支援活動が可能となるのです」と述べ、「ガザでは、7月だけで4,500人以上の新生児が生まれています。新たに生まれてきた命のためにも、そしてすべての子どもたちのためにも、我々は戦闘に関わるあらゆる勢力に対し、子どもたちをこれ以上傷つけることを止め、子どもたちを守ること、そして、長期的な和平−子ども時代を守る和平−を求めます」と続けました。
今回の空爆と攻撃で、ガザで死亡した子どもは450人以上。2,900人以上の子どもたちが負傷し、5万人以上が家を失いました。
ユニセフは、ガザの子どもとその家族の支援のために、総額1,370万米ドルの支援を国際社会に要請していますが、これまでに届けられた支援額は、4分の1(342万5,000米ドル)以下にとどまっています。
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2014年8月14日エルサレム発の、ユニセフ・パレスチナ事務所による情勢レポートから、最新の状況とユニセフの支援活動についてご紹介します。
© UNICEF/NYHQ2014-1181/d’Aki |
ガザ市のUNRWAが運営する学校に設置された避難所に身を寄せる聴覚障がいのある5歳の子ども。ユニセフのパートナー団体のスタッフと手話で会話をする様子。 |
© UNICEF/NYHQ2014-1041/d’Aki |
ガザ市の避難所になっている学校で、心のケアの一環としてアクティビティをする子どもたち。 |
ユニセフは、戦闘の被害を受けている避難所ならびに親類友人宅などに避難している住民の方に焦点を絞って支援活動を実施。今後は、ヨルダン川西岸と東エルサレムでの活動も拡大。
<水と衛生>
<保健>
<子どもの保護>
■ 参考情報:ガザにおけるユニセフの活動について
ユニセフは、1990年代初頭よりガザでの活動を開始。水と衛生、教育、保健、地雷教育などを含む基本サービスの支援を行っています。今回の戦闘による人道支援ニーズに対応するために、ユニセフは、約1,400万米ドル(約14億1,400万円 ※1米ドル=101円で換算)の資金を必要としています。
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