メニューをスキップ
公益財団法人日本ユニセフ協会

ユニセフ、過去最大量の緊急物資
8月の1カ月間で、1,000トンを供給
世界各地で相次ぐ人道危機に対応

【2014年8月26日 コペンハーゲン/ジュネーブ/ニューヨーク発】

エボラ出血熱の支援のために空輸された緊急支援物資(リベリア)
© UNICEF/NYHQ2014-1300/Jallanzo
エボラ出血熱の支援のために空輸された緊急支援物資(リベリア)

この8月、ユニセフはその歴史上、1カ月では過去最大量となる緊急支援物資を供給。世界各地の人道危機にある子どもたちに1,000トンの支援物資を届けました。貨物用ジャンボ機19便分に相当する量となります。

ユニセフ・物資供給輸送オペレーション部 部長のシャネル・ホールは「ユニセフは、同時に複数の異なる国々での大規模なニーズに対し、幅広く物資供給を展開しています。支援を必要としている子どもたちにこれらの支援物資を届け続けるには、人道支援回廊を確保することが不可欠です」と述べました。

イラクの戦闘や西アフリカでのエボラ出血熱への対応拡大を見越し、ユニセフは、できうる限りのチャーター・フライトを確保していました。デンマークのコペンハーゲンにある物資供給センターからは、27日間で支援物資を積んだ緊急貨物便33便が飛び立ちました。

1カ月で過去最大量の緊急支援物資

避難を強いられている人たちのために届けられた、毛布や水と衛生の緊急支援物資(イラク)
© UNICEF/NYHQ2014-0819/Khuzaie
避難を強いられている人たちのために届けられた、毛布や水と衛生の緊急支援物資(イラク)

以下、物資が輸送された国と供給された物資の概要です。

  • 中央アフリカ共和国:物資26トンを供給
    ワクチンや緊急用の食糧、井戸を掘るための資材など。同国ではマラリアが子どもの死亡原因の第一位を占めており、マラリア対策のための物資を含めた医薬品も届けられた。
  • イラク:北西部で避難生活を送る子どもと家族のために物資500トンを供給
    緊急用の食糧、水、医療品、栄養治療食など。隣国シリアでの保健システムの崩壊を受けて、イラクでもポリオの感染が確認されたため、400万ダースのポリオワクチンも供給。
  • リベリア:物資248トンを供給
    エボラ対策のために、医療従事者向けのゴム手袋、防護用ゴーグル、防護服のほか、高濃度の消毒用塩素、医薬品を供給。ユニセフは、政府を支援し、エボラ対策で脆弱化している物資供給能力の調査も実施中。
  • すぐに口にできる栄養治療食を食べる子ども(中央アフリカ共和国)
    © UNICEF/NYHQ2013-1288/Terdjman
    すぐに口にできる栄養治療食を食べる子ども(中央アフリカ共和国)
  • パレスチナ自治区:物資3.5トンを供給
    主にガザで、戦闘の被害を受けた病院や診療所に備蓄用の医薬品を供給。また過密状態で避難生活を送る子どもたちを感染症から守るために、ワクチンも提供。
  • 南スーダン:物資34トンを供給
    栄養不良で死亡の恐れがある5万人の子どもたち向けの栄養治療食を含め、栄養支援と物資を供給。南スーダンでは、今年、5歳未満の子ども100万人近くが急性栄養不良の治療を必要としている。
  • シリア:物資245トンを供給
    空路で物資を供給して4年目となるシリアでは、ユニセフによる物資供給は、安定的な供給経路に。8月だけで、シリアに浄水剤や教育キット89トンを供給。また、シリア難民が避難しているレバノンとヨルダンには、保健、教育、給水物資など156トンを供給。冬に向けての準備も始めており、中東地域で子ども用の冬服を調達中。

ホール部長は「大規模な人道危機がいくつも起きていますが、常に子どもを最優先に考えねばなりません。ユニセフは、子どもたちのために活動しています。ユニセフは子どもたちが支援を必要とする限り、迅速な、そして複雑で幅広い物資の供給を続けていきます」と述べています。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る