メニューをスキップ
公益財団法人日本ユニセフ協会

ガザ地区:
学校で子どもたちに日常と心のケアを
14日新学年開始・学校へ戻ろうキャンペーン

【2014年9月9日 エルサレム発】

戦闘の被害を受けた教室の被害状況の調査や片づけを行う男性。(ガザ)
© UNICEF/NYHQ2014-1367/El Baba
戦闘の被害を受けた教室の被害状況の調査や片づけを行う男性。

ガザの9月14日(日)からの新学年開始を前に、ユニセフは急速に進む新学期の準備へ向けて、重要な役割を果たしています。

ガザ地区では、イスラエル軍との50日に及ぶ戦闘により、395の公立学校で新学期が延期されていました。戦闘は、8月26日に停戦となりました。

今後、ユニセフのチームは、主に4つの分野に焦点を絞り、支援活動を行います。

  1. 戦闘で避難生活を送っている子どもや、通学していた学校が大きな被害を受けた子どもが、近場の学校に通えるように調整すること
  2. 戦闘で避難所となっていた学校の修理や清掃の実施
  3. すべての学校で1週間に及ぶレクレーション活動を計画・実施、研修を受けたスタッフが、より深刻なトラウマを抱えた子どもたちを見つけ、必要であれば特別な支援を受けられるように照会すること
  4. 通学かばんや文具品、教具の調達と供給、また支援が必要な家庭には制服や靴を支給

学校に戻る子どもたち

自宅を失い、避難している子どもたちが避難所となっている学校で遊ぶ様子。ユニセフやパートナー団体の支援を受け、レクレーション活動などの心のケアを受けている。(ガザ)
© UNICEF/NYHQ2014-1437/d'Aki
自宅を失い、避難している子どもたちが避難所となっている学校で遊ぶ様子。ユニセフやパートナー団体の支援を受け、レクレーション活動などで心のケアを受けている。

ユニセフ・ガザ現場事務所代表のパネラ・アイアンサイドは「紛争で子どもたちはあまりに多くのものを失いました。だからこそ、できるだけ多くの子どもたちがすぐに学校に通えるようにしなければなりません。学校は子どもたちにとって、より安心できる環境であり、通えるようになれば、心が慰められ始めるのです」と述べました。

しかし、なかには、学校に戻ることにためらいを感じている子どもたちもいます。

ガザ市内の学校で避難生活を送る17歳のハナディさんは「学校に戻って、友達がいるかわかるのが、つらくもあります。行方も生きているかどうかもわからないのです。どのような心持ちで、学校に戻ったらいいのかわかりません。私自身、勉強をする気分ではありません」と語りました。

16歳のサミさんは、学校に戻ることで日常を取り戻せるようになるといいます。「学校は、第2の我が家のようなものです。戻れるとうれしいです」と述べました。

学校と教育インフラへの深刻な被害

ガザでの戦闘で殺害された子どもは少なくとも501名、負傷した子どもは3,374名以上になります。教育省によると、26の公立学校は完全に破壊され、少なくとも207校(国連パレスチナ難民救済事業機関UNRWAが運営する学校75校を含む)は、深刻な被害を受けています。

アイアンサイド代表は「ユニセフとパートナー団体は、長期にわたる学校および教育インフラの復興に全面的に参画していきます。そのためにも、国際社会のみなさまに、ご支援をお願い申し上げます」と述べました。

「学校へ戻ろう」キャンペーン実施にあたり、2014年末までに1,600万米ドル(16億9,600万円 ※1米ドル=106円で換算)が必要となっています。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る