|
|
HOME > ニュースバックナンバー2014年 >
|
10月24日は「世界ポリオデー」
|
© UNICEF/PAKA2012-00309/Zaidi |
国規模で実施された、戸別訪問でのポリオ予防接種の様子。(パキスタン) |
世界がポリオ根絶に集中的に取り組んで26年。10月24日の「世界ポリオデー」にあたり、ユニセフは、以前であればポリオの予防接種を受けられなかった、世界中の数百万人の子どもたちが予防接種を受けられるようになり、ポリオのリスクから守られていると発表しました。もしこのキャンペーンが行われていなければ、約1,000万人がポリオに感染し、四肢麻痺になっていたと推定されています。また、免疫力を高めるビタミンAの投与とポリオ予防接種を定期的に受けられるようになり、150万人の命が守られるようになりました。
26年前の1988年、世界では年間35万人がポリオに感染していましたが、2013年には年間416人までに減少、今年はこれまでに243人の感染が確認されており、減少率は99%以上となります。現在、ポリオ常在国となっているアフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンの3カ国以外で、ポリオは根絶されました。26年の間に、複数国でポリオ感染が確認されていますが、封じ込めに成功しています。
ユニセフ事務局長のアンソニー・レークは「1988年、ポリオは子どもに障がいを及ぼす最大の要因でした。それ以降、各国で取り組みが進み、現在では、ポリオ感染の不安を感じることなく、子どもたちは成長できるようになりました」と述べました。
さらに「根絶へ向けた取り組みを成功へ導いたのは、最も危険な環境下の最も厳しい状況にあるコミュニティにも、ポリオ予防接種を実施したことです。すべての子どもたちに予防接種を行うことが可能だということを、証明したのです。我々が描いている最も野心的かつ大胆な目標の達成まであとわずかです。達成は可能ですし、達成しなければなりません」と続けました。
© UNICEF/PFPG2013P-0370/ |
ポリオに感染し、足に麻痺が残った2歳半の女の子。(チャド) |
常在国のナイジェリアでは、2013年49人の感染が確認されましたが、今年は現時点で6人となっています。アフガニスタンでは感染が減少しており、感染の多くは隣国パキスタンに関係するものです。パキスタンは現在最も感染者が多く、今年すでに206人の感染が報告されています。
ポリオ常在国は3カ国であるものの、南スーダンや中央アフリカ、ウクライナのように定期的な予防接種が実施できていない国々では特に、子どもたちが感染のリスクにさらされ続けています。さらに、シリアやイラク、カメルーン、赤道ギニア、ソマリアなどで確認された感染は、常在国であるパキスタンやナイジェリアと関係があります。
ユニセフは、子ども5億人向けに、毎年17億セットのポリオワクチンを調達しています。また、予防接種を受けるよう、家族や社会に呼びかけも行っています。この10年での集中的な取り組みによって、ポリオが発生している国々でも、予防接種が受容されるようになってきています。
レーク事務局長は「ポリオのない世代の実現まで、あと一歩のところまで来ています。すべての子どもたちが、ポリオにかからず、成長することのできる世界の実現は可能です」と述べました。
* * *
ポリオ常在国、感染確認国、感染リスク国ならびにポリオ根絶主要支援国について
© UNICEF/NYHQ2013-1317/Ohanesian |
学校でポリオの予防接種を受ける女の子。(ソマリア) |
ユニセフ・世界ポリオデー2014企画展 『ポリオのない世界へ』開催中
日時:2014年10月20日(月)〜 11月14日(金)
平日ならびに第2・第4土曜日の午前10時〜午後6時
場所:ユニセフハウス1階展示スペース
〒108-8607 東京都港区高輪4-6-12 JR品川駅または都営浅草線高輪台駅より徒歩7分
展示内容:
「ポリオってどんな病気?」「なぜ予防接種は大事なの?」といったポリオに関する基礎知識に加え、ポリオ根絶の歴史やワクチンが世界の子どもたちに届くまでのプロセス、さらには子どもの権利とのかかわりなどについて、わかりやすく解説したパネルを展示します。また、今年、WHO(世界保健機関)によってポリオ根絶が認定されたインドで、5人のカメラマンがレンズを通して見た世界を映し出した写真展「ポリオを克服したインドの記録」もあわせて開催いたします。