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公益財団法人日本ユニセフ協会

10月24日「世界ポリオデー」
子ども2,500万人にポリオ予防接種実施へ
シリア、イラクでのポリオ発生を受けて強化

【2014年10月24日 アンマン発】

10月24日「世界ポリオデー」にあたり、ユニセフとWHO(世界保健機関)、パートナー団体は、昨年以降のシリアとイラクでのポリオ発生を受けて、中東でのポリオ封じ込めのための予防接種を強化しています。

7カ国、2,500万人に予防接種を実施

難民キャンプでポリオの予防接種を受ける女の子。(イラク)
© UNICEF/NYHQ2014-1116/Khuzaie
難民キャンプでポリオの予防接種を受ける女の子。(イラク)

今後数週間内に、シリア、イラク、レバノン、ヨルダン、トルコ、エジプト、イラクの7カ国で、5歳未満の子ども2,500万人を対象に、ポリオ予防接種を行います。この予防接種キャンペーンにより、地域でポリオを封じ込めるのが狙いです。

現在実施されている予防接種は、中東でのポリオ根絶のために複数国で実施されている取り組みの一環です。シリアでは2013年10月に36例が、イラクでは2014年4月に2例の感染が確認されています。

ユニセフ・中東・北アフリカ地域事務所代表のマリア・カリヴィスは「昨年、シリアでポリオ感染が確認されて以降、多くの取り組みがなされてきました。厳しい環境にあり、到達困難な地域であっても、パートナー団体のみなさんは、子どもたちが予防接種を受けられるように懸命に取り組んでいます。今年4月以降、シリアとイラクでは、新たな感染は報告されていません。この取り組みを継続し、緊張感を持って取り組み続ける必要があります。そうすれば、子どもたちはポリオ感染の恐怖にさらされることなく、成長できます」と述べました。

現在実施されている取り組みは以下の通りです。

  • シリア:10月に290万人の子どもを対象に予防接種を実施
  • イラク:10月に580万人の子どもを対象に予防接種を実施
  • レバノン:10月〜11月にかけて、55万人の子どもを対象に予防接種を実施
  • ヨルダン: 10月に110万人の子どもを対象に予防接種を実施
  • エジプト:10月に1,500万人の子どもを対象に予防接種を実施
  • トルコ:10月に30万人の子どもを対象に予防接種を実施

中東地域でのポリオ根絶へ

子どもたちが予防接種を受けられるよう、戸別訪問をするスタッフ。(トルコ)
© UNICEF/UNI162702/Yurtsever
子どもたちが予防接種を受けられるよう、戸別訪問をするスタッフ。(トルコ)

シリアとイラクでは、世界ポリオ根絶のためのイニシアティブ(GPEI:Global Polio Eradication Initiative)が、紛争で避難生活を送っている子どもたちに予防接種を行うべく、懸命に取り組んでいます。避難している子どもたちは、激しい戦闘により、これまで実施されたポリオ予防接種集中キャンペーンによる接種を受け損ねている恐れがあります。シリアでは、紛争の影響で到達困難な地域に暮らす子どもたち推計20万人が、ポリオ予防接種を受けられないとみられます。

WHOのクリス・マヘル ポリオ根絶緊急対応マネージャーは「世界的な取り組みが始まってから、ポリオは今日までに99%削減されたものの、中東地域は世界的な感染拡大のリスクが依然として高い状況にあります。保護者の方には、子どもたちが予防接種を受けられるよう全力で協力してくださることをお願いします。ポリオの予防接種集中キャンペーンは、2015年初めにかけて行います。中東でポリオを今後発生させないことは、世界で最も厳しい状況にある子どもたちの生活を改善していく上で、重要な一歩です」と述べました。

各国政府とWHO、ロータリー・インターナショナル、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)、ユニセフによる世界ポリオ根絶のためのイニシアティブは、ビル&メリンダ ゲイツ財団やイスラム開発銀行、そのほかの官民セクターからの支援を受けて活動しています。1988年以降、世界ポリオ根絶のためのイニシアティブは、世界でのポリオを99%削減しています。

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