ガザ地区:
増え続ける子どもの犠牲者 計538人に
厳冬の恐れ、生活環境さらに厳しく
【2014年10月12日 エルサレム発】
50日間の激しい戦闘が起こったパレスチナ・ガザ地区。ユニセフ情勢レポートから、子どもたちの様子やユニセフの支援についてお伝えします。
数字で見る情勢
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© UNICEF/NYHQ2014-1771/El Baba |
ガザの学校に登校した女の子たち。 |
- 殺害された子ども 538人(Protection Cluster, 22 October 2014)※増加中(ハイライトに詳細記載)
- 殺害された人 2,254人(市民1,585人、軍事組織574人、不明122人)
- 自宅を失った子ども 5万4,000人(OCHA, 4 September 2014)
- 避難所にいる人 3万8,346人(UNRWAの18カ所の避難所にいる人の合計、10月23日週)
- 負傷した子ども 3,106人(Protection Cluster, 1 September 2014)
- 孤児となった子ども 1,500人(Protection Cluster, 1 September 2014)
- 全員が殺害された家庭 89世帯(OCHA, 24 August 2014)
ハイライト
- 50日間の戦闘で重傷を負った子どもが死亡したり、戦闘初期に死亡した子どもたちが明らかになったことで、戦闘による子どもの犠牲者数は前回報告より増加し、少なくとも538人が死亡
- 子どもの犠牲者(生後1週間〜17歳以下)の内訳は男の子341人、女の子197人、538人のうち68%が12歳以下
- 2014年、爆発性戦争残存物(Explosive Remnants of War)によって、死傷した市民は子ども11人を含め計40人(死亡30人、負傷10人)、過去6年間で最も多い
- 子どもの保護に関する緊急調査結果の速報で、戦闘により、子どもたちの心に大きな影響が及んでいることが判明
最大のストレスは、自宅から学校への通学時間が長くなっていること
男の子は、攻撃的な態度や怒り、フラストレーションが、女の子は、泣きだす、叫ぶ、おねしょ、悪夢などがみられる
- 世界銀行、EU、国連、パレスチナ当局は、ガザの早期復旧復興計画策定のための被害調査を発足
- 10月中旬に実施されたカイロでの支援会合を受け、セメントや建設資材などを積んだトラックのガザへの通行が可能に
- 厳冬の恐れがあり、ユニセフなどは支援物資の調達を急いでいる
戦闘で損壊した家屋は最大2万、いまだ4万人が避難所や親せき宅などに避難
多くの下水管や給水網ががれき下にあり、このままでは、下水と雨水が混ざったり、家が浸水する恐れ
昨冬は、雷雨と4日間の豪雨によりガザで浸水が発生、1万人が避難し、ユニセフは衛生用品や子どもの衣類などを提供
- 停戦状態は続いているものの、エルサレムを含め、治安に関する事件が発生している
ユニセフの取り組み
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© UNICEF/NYHQ2014-1431/El Baba |
ユニセフとパートナー団体によって設置された給水所に水を汲みに来た子どもたち。(8月23日撮影) |
<子どもの保護>
- 今週、心のケアの支援を受けた子どもは計3,252人、教員など子どもに関わる841人に研修を実施
- 10の家族センターで、6〜18歳の子ども600人が、子どもの保護に関するプログラムに参加
- 10月22日、ユニセフの支援により、子どもの保護と性暴力に関するワークショップを実施
- 子どもの保護に関する緊急調査の報告書は、10月中に完成予定
<教育>
- 今週、2,318人の子どもたちが心のケアのレクレーション活動に参加、これまでに少なくとも述べ7万2,986人が参加
- ユニセフとパートナー団体は、毎週、25校で3,138人の青少年期の子どもたちにカリキュラム外の教育やライフスキルの授業を実施
<水と衛生>
- 飲料水用の貯水タンクを、新たに22基設置して計492基に、受益者は9万4,400人
- ガザ中部には、引き続き飲料水を運搬、7万1,000人を支援
<保健・栄養>
- 今週、拡大予防接種プログラムの研修(複数回実施)を75人に実施、これまでに250人を研修済み
- ユニセフの支援を受け、保健員が集合避難所などで感染症についての勉強会を実施、これまでに男性1,710人、女性8,467人、子ども3,518人が参加
- 母乳育児に関する啓発活動を実施、避難所や親類宅などにいる女性8,467人が参加
- 保健省などが、産後の女性360人を戸別訪問し、産後ケアを実施、またハイリスク妊娠の女性2,113人を支援
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