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公益財団法人日本ユニセフ協会

ブルンジ:
罪を犯したとされる子どもたち
刑務所ではなく、再教育センターへ

【2014年10月15日ブルンジ発】

ユニセフ・ブルンジ事務所ジュリア・チャックーマ社会政策担当官が、刑務所で生活する子どもたちの様子を報告しています。

* * *

私は、子どもは刑務所に収容されるべきではないと思っています。しかし、残念ながら現実は異なります。現在、ブルンジでは11の刑務所で192人の子どもたちが、厳しい環境の下、生活を送っています。子どもの権利条約では、罪を犯したとされる子どもたちにも子どもの権利があるということが特記されています。しかし、首都ブジュンブラにある国内最大のMpimba刑務所では、約80人の子どもたちが、危険と隣り合わせの環境下で、2,800人以上のおとなたちと一緒に収容されています。

刑務所の子どもたち

数カ月前、ユニセフ子どもの保護専門官のペドロとMpimba刑務所を訪れました。ユニセフは、刑務所で暮らす子どもたちの生活状況を改善するため物資を提供しているのですが、それらの物資がきちんと子どもたちのもとに届き、使用されているかを確かめるためです。

物資には、本や調理器具、スポーツ用品、ベッドやマットレスなどが含まれています。ブルンジの刑務所のなかには、適切な睡眠をとれる環境が整っていない所もあります。そのため、ユニセフは子どもたちがコンクリートの上ではなく、少なくともベッドとマットレスを利用できるように支援を行っています。また、食堂設備が不十分なため、基本的な調理器具も提供しています。

Mpimba刑務所に向かう途中、近くの農場で働いている囚人たちを目にしました。「なぜ逃げないのだろう」という考えは、すぐに消え去りました。リスクが大きすぎるのです。逃走を試みて捕まれば、今収容されている暗く汚い刑務所に、より長い間閉じ込められることを意味しているからです。

子どもたちに特別な配慮を

食堂のないMpimba刑務所で、ユニセフが提供した調理器具や食器を手にする子ども。(ブルンジ)
© UNICEF Burundi
食堂のないMpimba刑務所で、ユニセフが提供した調理器具や食器を手にする子ども。

私は超満員の荒れ果てた刑務所を目にし、ここでの生活は子どもたちにとってどんなにか単調なものだろう、と思いました。収容人数が800人のMpimba刑務所には、現在、定員を大幅に超える2,819人が拘留されています。

男の子たちの部屋には、たくさんの2段ベッドが並んでいました。ひとりずつベッドがあるのかと尋ねると、「今はみんなベッドで眠ることができています。でも、蚊帳がないのが問題です」と男の子たちが話しました。しかし、部屋の状況から、蚊帳を適切に設置するには十分なスペースがないことは明らかです。子どもたちがマラリアに感染する危険が極めて高い環境です。

男の子のグループから話を聞くと、子どもたちは長い間拘置所にいることが分かりました。15日以上の拘留は禁じられているものの、裁判まで何カ月も待たされることがよくあるといいます。子どもに配慮したシステムにするため、裁判までの拘留時間を最小限にし、ソーシャルワーカーや医者、教師など、訓練された専門家の支援とサポートを受けられるようにしなくてはいけません。そして何よりも、おとなと一緒に子どもが拘留されることがないようにしなくてはいけないのです。ブルンジの法制度にも子どもたちに特別な配慮が行われるよう、支援を強化していく必要があります。

ユニセフが提供した物資が子どもたちの生活に役立っているという声を聞くことができ、安心しました。女の子たちは、石けんや生理用品が心の負担を和らげていると話してくれました。

公式な授業を受けることができない子どもたちは、自分たちの語学力を向上させようと、フランス語で教科書を読んでいると教えてくれました。また、ときには劇を演じてお互いに見せ合うこともあるといいます。「週に一度、ユニセフからもらったボールでサッカーをします」と、男の子たちが話します。くつやお皿など、基本的な物の提供だけではなく、遊ぶ権利の大切さを忘れてはいけないと、実感しました。

再教育センター

今回の訪問で、子どもたちがおとな用の刑務所に入ることがないよう、支援を強化しなくてはいけないとの思いを改めて強くしました。この取り組みは、ユニセフがブルンジで行う子どもの保護活動のなかでも、重点を置いている分野です。ユニセフはRumongeとRuyigiで、新しい再教育センターの建設準備を進めています。未成年の子どもたちが刑務所で生活するのではなく、このような支援センターで教育や職業訓練、基本的なスキルを学ぶことで、後によりよい社会復帰を果たすことができるのです。

できる限り早く再教育センターを開くことができるよう、法務省はパートナーと協力して適切な人材を探し、準備を進めています。

教育や職業訓練は、子どもたちの生活水準を向上させるために極めて重要な役割を果たします。再教育センターに通う子どもたちの姿を見る日が、今から楽しみです。技術や自信を得ることで、子どもたちはコミュニティの重要な一員となることができるのです。

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