罪を犯したとされる子ども
© UNICEF/NYHQ2006-0803/Noorani
「罪を犯したとされる子ども」という言葉は、何らかの犯罪について容疑者として疑われたり、逮捕された結果、司法制度に関わるすべての18歳未満の子どものことを言います。「罪を犯したとされる子ども」の多くは、路上生活、不登校、物乞い、飲酒などの軽犯罪を犯しています。こうした罪は、「地位犯罪」という違反行為として知られ、成人では刑事罰が適用されません。また、おとなによって利用されたり強要されたりして罪を犯してしまう子どもたちもいます。
大抵の場合、人種、民族、社会・経済的な地位に関連する差別や偏見によって、ときには何も罪を犯していないときでさえ罪を犯したとされたり、法執行当局から厳しい扱いを受けたりします。
少年司法制度の分野では、ユニセフは、投獄を減らし、暴力、虐待、搾取から子どもたちを守ることを目指しています。罰則処置よりも、より安全かつ適切で効果的なアプローチとして、家族とコミュニティを巻き込む形での社会復帰を促進しています。
おとな向けに策定された司法制度は、多くの場合こうした問題に十分に取り組む能力が欠如し、また子どもたちの社会への再統合の可能性に悪影響をおよぼす傾向があります。このような全ての理由から、ユニセフは分離(子どもたちを訴訟手続きやコミュニティの決議から分離させること)、復帰司法(子どもたちと家族、犠牲者、コミュニティと共に、仲介、矯正(復帰)、責任を促進すること)、懲役、禁固、服役、収監のような施設内処遇に代わる処置(カウンセリング、保護観察、コミュニティサービス)を強く訴えています。
主要データ
- 世界中では常にどこかで、100万人以上の子どもたちが各国の法執行当局によって拘束されている。しかし、多数の、拘束されていながらもその存在が報告されていない子どもたちについての情報を取得することは難しく、前記の数字は非常に低く見積もられている可能性が高い。収集された情報に一貫性がないだけでなく、しばしば裁判前に身柄を勾留されている子どもたち、両親と一緒に拘留されている幼い子どもたち、警察に一時的に保護されている子どもたちも含まれていないことが多い。
- 利用可能なデータのある44カ国の情報によると、拘留されている子どもの約59%は、裁判による判決を受けていなかった。
- 拘留されている子どもたちの大部分は、重罪を犯していない。多くは、家出や夜間外出禁止違反、不登校、飲酒といった地位犯罪(ステータス・オフェンス)として知られているものに関連している。また、子どもたちは、移民や精神衛生上の問題、様々な問題からの「自分自身の保護」のために拘束されている。犯罪の犠牲となった子どもたちや犯罪を目撃した子どもたちは、子どもの権利と子どもたちが必要としているケアやサービスに適切に対応していない法制度によって、再び犠牲となることが多い。
- 2005年1月以降、5カ国が子どもへの死刑を執行している。
(2009年12月現在)
ブルンジ
刑務所から釈放されたシリルさん(16歳)のストーリー
「再教育センターでは友達もいるし、勉強もできます。私の夢は自宅に戻り、両親の農作業を手伝うことです。専門的な職業も身に着けたいです」
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