差別・偏見
© UNICEF/ HQ01-0330/ Pirozzi
「子どもの権利条約」は、子どもたち自身、あるいは親や法的保護者の人種、皮膚の色、性別、言語、宗教、政治的もしくはその他の意見、国籍、民族もしくは社会的出身、資産、障害の有無、出生やその他の社会的地位にかかわらず、すべての子どもが同等の権利を持っていることを定めています。
しかしながら、差別や偏見は世界の何百万人もの子どもたちとって日常的に直面する現実です。子どもたちが差別の対象になると、必要不可欠なケアやサービスの利用が拒否されるほか、学校からも排除され、必要な医療処置を受けることもできません。差別はまた暴力や搾取の結果でもあります。たとえば、最悪な形態の児童労働によって搾取されている子どもたちの多くは、少数民族や社会的に疎外されているグループの出身です。 様々な形態の差別がありますが、最も一般的なものには以下のようなものがあります。
- ジェンダー差別
ジェンダー差別による幼児殺害、妊娠中絶、栄養不良、ネグレクト(育児放棄)は、世界の総人口のうちの6,000万人から1億人の女性をこの世から‘失う’原因であると考えられています。家事労働に従事する子どもの90パーセントは、12歳から17歳までの女の子です。 - 障害を持つ子どもに対する差別
世界には、1億2,000〜5,000万人の障害を持つ子どもや若者がおり、学校に通っている子どもはそのうちの2パーセント以下です。現在、障害を持つ若者間の妊娠や性感染症についてのさらなる研究が早急に求められていますが、それは今現実に起こっていることがまさに懸念材料となっています。例えば米国では、聴覚障害者のコミュニティの中で、HIV/エイズと共に生きる人の数は、一般コミュニティの2倍となっています。また、CEE/CISの子どもたちの20パーセントは、障害を持つ子どもであると推定されています。 - 民族と人種による差別
1997年、ブルガリアでは、基礎教育を修了していない割合が総人口の3パーセントであったのに対し、少数民族のロマ民族は16パーセントでした。一方、ルーマニアでの基礎教育未修了者は、総人口の12パーセントであったのに対し、少数民族は42パーセントにも上りました。 - カースト(社会階級)による差別
推定2億5,000万の人びとが、社会的に排除されたカースト(社会階級)の家に生まれたために、差別を受けています。インドでは、1,500万人いる奴隷児童労働者の子どもたちの大多数が、もっとも低いカースト出身者です。 - HIV/エイズによる差別
インドのムンバイにあるいくつかの施設では、最貧層の子どもたちが入院する時にHIV検査を受けさせます。結果が陽性だった場合、スタッフの数が十分で、子どもケアセンターに利用可能なスペースがあっても、子どもたちは隔離されるか、隔離収容施設プログラムへと転院させられます。
ナイジェリア
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「家へは帰れませんでした。近所の人たちは、何が起こったのか知っていますから。感染者を増やすために教会に足を運んでいるとも噂されました。想像できますか?そんなことを言われているなんて……」
©UNICEF Nigeria/2014/Esiebo
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