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公益財団法人日本ユニセフ協会
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ユニセフの主な活動分野|子どもの保護
ユニセフの主な活動分野
子どもの保護

児童婚

© UNICEF/UNI146727/Kiron 生後11カ月の娘に離乳食を与える、母親の13歳の女の子。8歳の時に自分よりも20歳年上の男性と結婚を強いられた。(バングラデシュ)

児童婚とは、18歳未満の子どもと成人、または他の子どもとの間で行われる正式な結婚や事実上の婚姻関係を指します。

児童婚は、子どもの権利の侵害であり、個人や社会に深刻な影響を及ぼします。早期の結婚は、教育の中断、健康リスクの増大、経済的機会の喪失など、子どもたちの将来にわたる可能性を制限します。特に女の子は、妊娠や出産に伴う健康リスクに直面して、家庭内暴力の被害も受けやすくなります。また、児童婚は貧困の連鎖を強化し、ジェンダー不平等を助長します。

SDGs(持続可能な開発目標)の目標5は、ジェンダーの平等の達成と、すべての女性と女の子の能力強化を行うことを掲げています。

ジェンダー平等を実現しよう

SDGs 5.3
子どもの結婚、早すぎる結婚、強制的な結婚、女性器を刃物で切りとる慣習など、女性や女の子を傷つけるならわしをなくす。

主要データ

  • 世界で約6億5,000万人の女性が、18歳未満で結婚を経験している。
  • 児童婚の割合が最も高いのは、西部・中部アフリカ地域で、若い女性の37%(10人に4人近く)が18歳未満で結婚している。続いて、東部・南部アフリカ地域で32%、南アジア地域で28%、ラテンアメリカ・カリブ諸国地域で21%。
  • 児童婚は世界的に減少傾向にある。過去10年間で最も大きな進歩が見られたのが南アジア地域で、女の子が幼くして結婚する割合は50%近くから30%未満へ減少した。
  • SDGs目標である2030年までにこの慣習を終わらせるためには、進歩を大幅に加速させる必要がある。さらなる加速がなければ、2030年までに1億人以上の女の子が18歳の誕生日を迎える前に結婚することになる。
  • 世界では、1億1,500万人の男性が18歳未満で結婚している。男の子の児童婚が一般的である国は地理的に多様であり、女の子の児童婚が最も一般的である国とは異なる。児童婚を経験する男の子は、女の子と比べて少数だが、男の子も同様に子どもの権利侵害を経験している。この慣行の推進要因と男の子への影響については、さらなる調査が必要である。
出典:

児童婚をなくすために

© UNICEF/UNI198622/Aggio Caldon レバノンへ避難しているシリア難民の14歳の女の子。1年半前に結婚し、生後7カ月の息子を難民キャンプで育てている。

児童婚の要因として、以下が指摘されています。

  • 貧困:経済的困難に直面する家庭では、娘を早期に結婚させることで経済的負担を軽減しようとする傾向があります。また、紛争や災害などにより、家族が住居や生計手段を奪われてしまう状況も、児童婚のリスクを高めます。
  • 教育の欠如:教育の機会を得られなかった母親の子どもは、出生登録がされない割合が高く、これが児童婚のリスクを高める要因となります。
  • 有害な伝統的慣習:一部のコミュニティでは、児童婚が伝統的な慣習として根強く残っており、これが児童婚の継続につながっています。

児童婚を無くすことは、女の子や女性の社会参画を促し、複数世代にわたる貧困の連鎖を断ち切る手助けとなります。幼いうちに結婚をせず、教育を継続し、自らの可能性を広げた女の子は、将来、自分の子どもに適切な栄養とケアを提供し、質の高い教育を求めるなど、子どもにとってより良い未来を築く土台をつくる手助けをします。

ユニセフは、児童婚の撲滅に向けて、以下のような取り組みを行っています。

  • 教育と啓発活動:家族やコミュニティに対して、児童婚の有害性や女の子の教育の重要性を伝える啓発活動を実施することで、女の子が学校に入学し、修了まで通い続けられるようにする
  • 女の子のエンパワーメント:ライフスキル教育や職業訓練を通じて、女の子たちが自分の将来を選択できる力を養う支援を行っています。
  • データ収集と研究:児童婚の実態を把握するためのデータ収集や分析を行い、効果的な対策の策定に役立てています。
  • 政策提言と法整備の支援:各国政府と協力し、児童婚を禁止する法律の制定や施行を推進しています。

(2025年3月更新)

エチオピア

ベレイネシュさん(14歳)のストーリー

「結婚しました。お母さんにお金がなかったから」と話すベレイネシュさん。母親のファンティエさんは、幼い娘を嫁がせることを決して望んではいませんでしたが、夫と死別し困窮するなかで、他に選択肢がありませんでした。

ストーリーの続きを見る

© UNICEF Ethiopia/2023/Nahom Tesfaye

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