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ユニセフ『世界子供白書2015』 初の完全デジタル版発表
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ユニセフは子どもの権利条約が採択されて25周年の記念日に『世界子供白書2015』を発表。何百万もの子どもたちがイノベーションの恩恵から漏れないように早急な行動が必要であると訴えます。人と人との結びつきや協力が、イノベーションを活用してすべての子どもに到達するための新たな地球的ネットワークを勢いづかせると考えます。
世界子供白書2015「未来を再考する:一人ひとりの子どものためのイノベーション」 |
世界子供白書2015(要約版)英語版PDF |
※世界子供白書2015(要約版)の日本語版は、12月下旬に掲載予定です。 |
今回の『世界子供白書2015』は、「未来を再考する:一人ひとりの子どものためのイノベーション」がテーマ。政府や開発の専門家、ビジネス関係者、社会運動の推進者、コミュニティは、子どもたちが直面する最も差し迫った問題のいくつかに取り組むために新しいアイデアを推進するべく共に行動し、その地域にとって最善で有望なイノベーションを拡大していくための新しい方法を見つけるよう求めています。
本報告の内容は、最先端の技術革新であるクラウド・ソーシングによって収集されており、世界中の国々のイノベーションを地図上で示す双方的なデジタル・プラットフォームを設けています。そして、イノベーターに自身のアイデアを地図上に記すように要請しています。
「不公正は人類と同じくらい古くからあり、イノベーションもまた、しかりです。イノベーションはいつも人類の進化を後押ししてきました。かつてなくお互いに結びつきのある私たちの世界で、ローカルな解決策が地球的なインパクトを与え、毎日不平等や不正義に直面するそれぞれの国の子どもたちに恩恵を与えるのです」と、ユニセフ事務局長のアンソニー・レークは言います。
「イノベーションが一人ひとりの子どもに恩恵を与えるために、私たちはもっとイノベーティブでなくてはいけません。私たちは従来からの問題を解決するために新しい発想を育む方法を改めて考えることが必要です。私たちが抱える最も難しい問題の最善の解決策は単にトップダウンあるいは草の根レベル、あるいは一部の国のグループまたは他のグループから出されるものではありません。そうした解決策は新しい問題解決のネットワークやコミュニティのイノベーションからもたらされるのです。国境を越え、分野を超え、届きにくい人に届くのです。そしてそれらは若い人、そして子どもたち自身によりもたらされるのです」と、レーク事務局長は言います。
© UNICEF/NYHQ2011-1769/Pirozzi |
地球儀を見ながら勉強をする子どもたち。(リベリア) |
国連総会は1989年に子どもの権利条約を採択しました。それ以来子どもの権利の進展には大きな進歩がありました。5歳未満で亡くなる子どもの数は大きく減少し、教育や清潔な飲み水へのアクセスも増しました。
しかし、何百万という子どもの権利が今でも毎日侵害されています。最も貧しい世界の子どもの20%は、最も裕福な子どもの20%に比べて、栄養失調で発育不良に陥り、5歳の誕生日を迎える前に死に至る可能性が約2倍となっているのです。後発開発途上国の子どもの4人にひとりは児童労働に従事し、何百万もの子どもたちは日常的に差別や身体的性的暴力、虐待やネグレクトを経験しているのです。
この最新の『世界子供白書2015』は、経口補水塩、調理せずに食べられる栄養補助食品などの従来のイノベーションが過去25年間で数多くの子どもたちの生活に大きな変化を与えている事例を報告しています。そして、よりイノベーティブな物資、手法、パートナーシップが、最も到達しにくい子どもが持つ権利の実現のために欠かせないと、続けます。初の完全デジタル版となった『世界子供白書2015』は、双方向性とマルチメディアを活用したものとなっており、利用者が自分自身のアイデアや発明をシェアするように招いています。下記にあるような世界のいろいろな国で、既に生活を改善しつつある素晴らしいイノベーションの事例が紹介されています。
© UNICEF/NYHQ2008-1803/Noorani |
「船の学校」で授業を受ける子どもたち。(バングラデシュ) |
© UNICEF/NYHQ2014-2094/Jallanzo |
エボラの社会啓発活動に活用されている、U-Reportの使い方を教える若者たち。(リベリア) |
「地球のあらゆる場所、例えば遠く離れた片隅にさえたくさんの若いイノベーターがいます。彼らは子どもたちのために世界を変えるため熱心に取り組んでいます」と、インドのチャンディガー出身のBisman Deuさん(ビスマン・デュー 16歳)は言います。彼女は「GreenWood」の開発について語っています。稲作で不要となった廃棄物から建築用資材を開発しました。そして、この発明が報告されています。
「どの国も異なる問題を抱えています。そして、誰でも違った解決策を持っています」と、Deuさんは続けます。また、「私たちはイノベーションを推進する地球の仲間としてお互いの経験から学ぶ必用があり、そして、変化をもたらすアイデアを作り続ける必要があるのです」と、言います。
ユニセフは世界中の190カ国以上のネットワークでイノベーションを最優先に進めています。新しい発想の方法、作業の方法あるいはパートナーとの協力のありかたを奨励し、地域の才能を育てるためにアフガニスタン、チリ、コソボ、ウガンダなどの国に拠点を設けています。
(『世界子供白書2015』日本語要約版は当協会WEBサイトからダウンロードいただけます)
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