メニューをスキップ
公益財団法人日本ユニセフ協会

12月1日 世界エイズデー
15歳未満の110万人、感染から守られる
10〜19歳の青少年の死亡率は減少せず

【2014年11月28日 ニューヨーク発】

HIVと共に生きる母親と、抗レトロウイルス治療を受け、HIVの母子感染から守られた生後6カ月の息子。(南アフリカ共和国)
© UNICEF/HIVA2014-00101/Schermbrucker
HIVと共に生きる母親と、抗レトロウイルス治療を受け、HIVの母子感染から守られた生後6カ月の息子。(南アフリカ共和国)

ユニセフは、12月1日の世界エイズデーに向けて統計を発表。2005年から2013年の間に110万人の15歳未満の子どもたちがHIV感染から守られ、また同年齢のHIV感染率は50%以上減少していることが明らかになりました。一方で、治療機会の不均等や青少年期のエイズ関連死に対する、世界的または国レベルでの取り組みが急務であると報告しています。

110万人の15歳未満の子ども、HIV感染から守られる

このHIV/エイズの予防に関する目覚ましい進展は、何百人ものHIVと共に生きる妊産婦が、母子感染予防(PMTCT)を目的とした保健サービスを利用できるようになったことによる成果です。また、母親が生涯にわたり治療を受けられるようになったことで、乳児へのHIV感染率が減少し、母親も健康に生きられるようになりました。

ユニセフ事務局長アンソニー・レークは「110万人の子どもたちをHIV感染から防ぐことができたということは、すべての子どもたちをHIVから守ることが可能だということを意味しています。しかしそのためには、すべての子どもたちに支援を届けることが必要不可欠です。HIVと共に生きるすべての母親、新生児、子ども、青少年期の若者へ、予防や治療サービスを届けるプログラムにもっと多くの投資をし、格差を縮めていかなくてはなりません」と述べます。

2009年から2013年に、最も目覚ましく減少がみられた国は、アフリカの8カ国です。マラウイ(67%)、エチオピア(57%)、ジンバブエ(57%)、ボツワナ(57%)、ナミビア(57%)、モザンビーク(57%)、南アフリカ共和国(52%)、ガーナ(50%)

青少年のHIV感染予防に課題

HIVの啓発用パンフレットを手にする路上で生活する少女。(スリランカ)
© UNICEF/NYHQ2012-1507/Jayasuriya
HIVの啓発用パンフレットを手にする路上で生活する少女。(スリランカ)

一方で、「2015年までに子どものHIV感染を根絶し、母親が共に生きるための世界計画」イニシアティブでは、2015年に向けて新たにHIVに感染する子どもの数を90%削減することを目標に掲げましたが、いまだ達成に至っていません。2013年、低所得国と中所得国において、HIVと共に生きる妊産婦のうち、母子感染の防止に効果的な抗レトロウイルス薬による治療を受けた人の割合は67%でした。

低・中所得国のHIVと共に生きる人のうち、15歳以上の人たちが15歳未満の子どもよりも、抗レトロウイルス治療(ART)を受けられる傾向にあります。2013年には、HIVと共に生きる15歳以上の37%が治療を受けたのに対して、0歳から14歳では23%(4人にひとり)しか受けていませんでした。

青少年がエイズに関係する病気で死亡する傾向も、また重要な懸念事項です。2005年から2013年の間で、青少年を除く他の年齢層はエイズ関連死が40%近く減少しているのに対し、10歳から19歳の青少年の死亡率は唯一減少していません。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る