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ラオス:
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© UNICEF/2013/S. Nazer |
生徒たちを教えるフェオメオさん(17歳)。 |
村の幼稚園の先生フェオメオさん(17歳)は、教え子が小学校に入学した時の感想を聞かれ、笑顔で話し始めました。「子どもたちをとても誇りに思いましたし、とても幸せでした。入学初日、小学校の授業を見学に行きました。ラオスの童謡を上手に歌うことができていました。それに、幼稚園に通っていなかった子どもたちよりも自信を持って授業に取り組んでいたと思います」
コミュニティを基盤として運営される幼稚園のほとんどで、同じような成果が見られています。幼稚園に通った子どもたちは、そうでない子どもたちと比べて、感情性も社交性も、より発達しています。
ペンの持ち方や紙の押さえ方を知っているだけでなく、多くの少数民族の村ではめったに使われていない、ラオス語を理解することができます。
ラオス北部のアカ民族の出身のフェオメオさんは、先生になってから約1年。子どもたちに歌や数の数え方、ダンスの方法、文字の書き方など、自信をもってさまざまなアクティビティを教えています。
言葉を間違えないように、歌詞を大きく書いた紙が貼られた壁の前に立ちながら、フェオメオさんが先生になった経緯を教えてくれました。「初めは、先生になりたいとは思っていませんでした。ゴムノキで生計を立てている両親の手助けをしたかったのです。でも、村のみんなに推薦されて始めた先生の仕事が、今では大好きです」
© UNICEF/2013/S. Nazer |
アクティビティをする子どもたち。 |
ユニセフは人里離れた、辿り着くことが困難な地域の子どもたちが小学校に通うための基礎を築くことができるよう、ラオス全土でプロジェクトを支援しています。支援を受ける子どもたちは最も貧しい地域の出身で、多くはラオス語を母国語としない民族グループ出身の子どもたちです。
地域を基盤とした学校準備プロジェクト(community-based school readiness)が、村の子どもたちが小学校への入学に備えるための手助けとなっています。
フェオメオさんは、村の人たちからの力強いサポートに感謝しています。ラー村長も、フェオメオさんの仕事ぶりを称えています。「フェオメオさんはとても熱心に取り組んでいます。両親はお金を稼ぐため、フェオメオさんをゴムノキ農場で働かせるということもできました。しかし、両親は村の力になるようにと、彼女をサポートしたのです」
ルアンナムター郡の他の村々でも、子どもたちが小学校生活に順応できるよう、熱心な先生たちが就学前の5歳になる子どもたちを教えています。
ルアンナムター郡のボウチャン・ルアングレクセイ郡長も、このプロジェクトを歓迎しています。「このプロジェクトを実施して、多くのことを学び、多くのことを達成しました。たどり着くことが困難な地域で暮らす貧しい子どもたちも小学校生活への基礎を築くことができるようにするための、ユニセフの支援を大変嬉しく思います」
© UNICEF |
「幼稚園に行った人は何人ぐらいいるかな?」と聞かれ、手を挙げる小学校に通う児童たち。 |
ルアングレクセイ郡長によると、このプロジェクトの開始後、ルアンナムター郡の小学校の入学率が男女とも100%にまで上昇しました。
しかし、依然として課題が残ります。村の先生たちは年齢が若く、経験を積む時間が必要です。
また、これらの人里離れた地域の教育や支援のモニタリングは特に困難です。地域のスタッフはモニタリングの強化に加え、評価方法や教師をサポートするための知識などを習得する必要があります。多くの場合、授業の質は十分ではなく、幼い子どもたちの学習に対する目的意識が低い傾向にあります。
しかし、何事も挑戦に値すると、ラー村長が語ります。「行動を起こさなければ、人里離れた地域で暮らす子どもたちは教育への機会を手にすることができないままですから」
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