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公益財団法人日本ユニセフ協会

デイビッド・ベッカム親善大使
子どもたちを最優先に
『7(セブン):デイビッド・ベッカム・ユニセフ基金』を設立

【2015年2月9日 ロンドン発】

基金の立ち上げを表明したデイビッド・ベッカム親善大使。
© UNICEF/UKLA2015-00014/Buck
基金の立ち上げを表明したデイビッド・ベッカム親善大使。

デイビッド・ベッカム・ユニセフ親善大使は2月9日、世界中の何百万人もの子どもたちを危険から守り、支援するための革新的なイニシアチブ『7(セブン):デイビッド・ベッカム・ユニセフ基金』の設立を発表しました。

ユニセフ親善大使への就任から10年を迎える今年、ベッカム親善大使は『7』と名付けられた基金を設立。今後10年以上にわたって、世界で最も厳しい立場に置かれている子どもたちへの支援を行います。そしてこの基金を通じ、ベッカム親善大使は自身の持つ発言力や影響力、幅広い人脈を最大限に生かし、子どもたちのために長期的でよりよい変化をもたらすために必要不可欠な資金集め、世界のリーダーたちへの行動を促します。

ベッカム親善大使、子どもたちのための基金を設立

ベッカム親善大使は、「ユニセフ親善大使として10年間活動を続けてきました。ユニセフが行う、子どもたちのための素晴らしい活動の一端を担うことができ、とても光栄に思います」と語りました。

2005年、デンマークのコペンハーゲンにあるユニセフ物資供給センターを訪れたベッカム親善大使。
© UNICEF/UKLA2015-00001/McConnico
2005年、デンマークのコペンハーゲンにあるユニセフ物資供給センターを訪れたベッカム親善大使。

「子どもたちを支援する必要性は、かつてないほど増大しています。現役引退後、自由に使うことができる時間も増え、これまで以上に活動の幅を広げて貢献したいという想いから、この基金を立ち上げるに至りました。『7』は、世界中の最も支援を必要としている子どもたちへ、継続的な支援を行うという誓いを表すものでもあります。私はそれが可能だと確信していますし、そう強く望んでいます。そしてこの取り組みは、何百万人もの子どもたちの生活をよりよいものへと変えることができるのです。これまで培ってきた経験、サッカー選手としてのキャリア、そして家族。すべてが、今、この基金の立ち上げにつながっています。世界中の子どもたちの力となるため、今、私にできることを行動に移すときがやってきたのです。この取り組みを、私の子どもたちも誇りに思ってくれたら嬉しいです」

「これからもユニセフと協力して支援活動のための資金を募り、世界中の子どもたちのために声をあげていきたいと思います。現在、さまざまな募金活動の計画を実現させるため、準備を進めています。そしてより多くの場所を訪れ、子どもたちやユニセフのスタッフ、世界中のリーダーたちと会い、子どもに関する問題の認識を高め、変化を促す力になれたらと思います。胸が躍るような素晴らしい計画が進んでいます。これらの計画の一端を担うことができ、大変光栄に思っています」

ベッカム親善大使が新たに立ち上げを表明した基金『7』は、ベッカム親善大使の象徴ともいえる、イングランド代表とマンチェスター・ユナイテッドで身につけていたユニフォームの背番号から名付けられました。

最も支援が必要な子どもたちへ

子どもたちにとって最も壊滅的な年となった2014年。1,500万人以上の子どもが主な紛争で暴力にさらされ、何百万人もの子どもたちが自然災害に見舞われました。そして、エボラ出血熱の感染拡大により、何千人もの子どもが孤児となり、学校に通うことができませんでした。緊急事態下の地域以外でも、深刻な危険にさらされている子どもたちがいます。世界中で1億6,800万人の子どもが児童労働に携わり、多くの子どもたちが女性性器切除や性的虐待、人身売買の被害にあっています。

2008年、シエラレオネにある、栄養不良の子どものための治療センターを訪れた ベッカム親善大使。
© UNICEF/UKLA2015-00006/
2008年、シエラレオネにある、栄養不良の子どものための治療センターを訪れた ベッカム親善大使。

世界中のリーダーたちが、子どもたちの生活によりよい変化をもたらすための新たな世界共通の目標を定める年となる2015年。『7』は、この希望と可能性にあふれる1年の幕開けとなるのです。この基金を通じて、ベッカム親善大使はユニセフやパートナー団体が教育や水と衛生、保健、社会保護などの分野で子どもたちのための成果をもたらし、最も困難な立場に置かれた子どもたちに支援を届けるために必要不可欠な活動資金を集め、行動の変革を促す大きな力となります。

ユニセフは、世界の中でも特に重要となる地域を明らかにしました。これらの地域で、子どもたちを守りその生活をよりよいものへと変えていく支援を今後3年にわたり実施するため、緊急の資金を必要としています。ユニセフの支援は、町や村で実施されるプログラムだけでなく、国中で実施される国家規模のもの、そして地域規模のものにまで及びます。これらの地域で暮らす子どもたちは、暴力や虐待、病気の危険にさらされているにもかかわらず、資金不足が原因で十分な支援が届いていません。

基金を通じて行われるユニセフの支援

『7』を通して集められた資金は、今後3年間でユニセフの以下の活動に役立てられます。

  • 世界で最も子どもの自殺率が高いエルサルバドルで、子どもの保護やカウンセリングの支援。
  • 子どもの死亡の5人に1人が下痢が原因であるブルキナファソで、給水ポンプの設置や、設置されたポンプをコミュニティ自身が維持・管理できるようにするための能力育成。
  • 5歳未満の子どもの半数近くが栄養不良による発育阻害に陥っているパプア・ニューギニアで、子どもたちが人生の最良のスタートを切ることができるようにするため、母親への母乳育児の支援。

子どもたちを最優先に

2013年、台風30号の甚大な被害に見舞われたフィリピンを訪問したベッカム親善大使。
© UNICEF/UKLA2015-00003/Pettersson
2013年、台風30号の甚大な被害に見舞われたフィリピンを訪問。ユニセフが支援する「子どもにやさしい空間」で子どもたちとバレンタインカードを作ったベッカム親善大使。

また基金の立ちあげにあたり、ベッカム親善大使は世界中の人々やファンに、子どもたちのために共に行動を起こすよう、呼びかけました。そして世界規模で行われるキャンペーンに参加し、子どもたちを最優先に考え、暴力や予防可能な死亡、貧困を終わらせるため、世界の発展のための新しい道筋を築いていく存在である子どもたちのために、世界中のリーダーたちへ共に声を上げるように訴えました。

「ベッカム親善大使は10年間にわたり、世界中の最も支援を必要とする子どもたちのために、声を上げ続けてくださいました」と、ユニセフ本部パロマ・エスクデロが語ります。

「ベッカム親善大使は、シエラレオネや南アフリカ、タイ、フィリピンを訪れ、栄養不良やエボラ出血熱、HIV/エイズなど、緊急事態下での生活を強いられる子どもたちへの認識を高めてきました。2013年に訪問したフィリピンでは、台風30号の甚大な影響を受けた子どもたちのための支援を訴える、大きな力となってくれました。私たちは『7:デイビッド・ベッカム・ユニセフ基金』を通して、子どもたちのためのよりよい変化を、さらに促進させることができると信じています」

2015年は、子どもたちの生活によりよい変化をもたらす、新たな世界共通の目標を掲げる記念すべき年となります。ユニセフはベッカム親善大使と共に、「子どもたちを最優先に(#putchildrenfirst)」と、世界中のリーダーに呼びかけています。力を合わせれば、子どもたちへの暴力を終わらせ、すべての子どもを予防可能な死亡や貧困から守ることができるのです。

■参考情報

デイビッド・ベッカム親善大使は過去10年以上にわたり、子どもたちの生活をよりよいものにするためのユニセフの活動で、非常に重要な役割を果たしてきました。

  • 2005年、デンマークのコペンハーゲンにあるユニセフ物資供給センターを訪れ、津波の被害にあった子どもたちのための支援を訴え、緊急支援物資の箱詰めを行った。
  • 2008年、「子どもの生存」をテーマにした2008年版「世界子供白書」の発表に合わせ、シエラレオネを訪問。5歳未満で命を落とす子どもたちの現状へ目を向けるよう訴えた。
  • 2009年、南アフリカを訪れ、HIV/エイズと共に生きる子どもたちや家族への支援現場を訪問。
  • 2011年、英国ユニセフ協会の東アフリカ食糧危機への支援を呼びかけた。
  • 2012年、ベッカム親善大使は飢餓の問題に焦点を当てたサミットへ臨むキャメロン英首相(当時)に50人以上の要人の署名が載った公開書簡を届け、2016年までに子どもの栄養不良を減らすための支援を、世界中のリーダーたちに訴えた。
  • 2013年、170万人の子どもが避難を強いられ、多くが命を失った台風30号による甚大な被害に見舞われたフィリピンへの支援を訴えた。フィリピンを訪れ、台風の影響を受けた子どもたちや家族を訪問した。
  • 2014年、エボラ出血熱の感染拡大を阻止するべく、ユニセフへの支援を訴えるビデオ・メッセージを公開。最も甚大な影響を受ける国の一つであるシエラレオネ全土で放映され、200万人以上にメッセージが届けられた。

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