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公益財団法人日本ユニセフ協会
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サイクロン・パム
ユニセフの人道支援資金、85%不足
6月までの活動資金480万米ドルを国際社会に要請

【2015年3月24日 ニューヨーク/バヌアツ発】

サイクロンの被害を受けたコミュニティで暮らす1歳の男の子。
© UNICEF/UNI181137/Crumb
バヌアツの首都ポートビラ近郊にある、サイクロンの被害を受けたコミュニティで暮らす1歳の男の子。

ユニセフは本日、バヌアツほか太平洋の島々で被災した子どもたちとその家族への緊急支援のための活動資金が、いまだ15%しか確保できていないと発表しました。国連が合同アピールとして発表した3月〜6月の人道支援資金2,990万米ドルのうち、主に水と衛生、保健、栄養、教育、子どもの保護の分野で活動するユニセフの必要資金は480万米ドル。しかし、現在大幅な資金不足が生じています。

人道支援を待つ子どもたち

バヌアツの子どもの人口の3分の2にあたる8万2,000人の子どもたちが、人道支援を待っています。

ユニセフは、バヌアツをはじめツバル、ソロモン諸島、キリバスなどで暮らす被災した子どもたちとその家族に、安全な水、トイレや衛生施設、予防接種などの保健サービスを届けることに注力しています。また、下痢の治療、新生児ケア、栄養補給、子どもたちを暴力や虐待から守るための活動も進めています。

「子どもたち、特にアクセスが困難な離島の子どもたちは、今この時も危険な状態にあります」と、ユニセフ太平洋事務所代表のカレン・アーレンは話します。「バヌアツのほとんどの島々では、深刻な水不足が起こっており、早く安全な水を使えるようにすることがとても重要です。洪水の影響や、衛生設備の不足、医療の不足などから、病気の発生リスクが極めて高い状況です」

学校は今日(3月24日)再開されましたが、バヌアツでは80%の学校が被災し、34校が避難所として使用され、更に教員たちの宿舎も被害を受けています。ユニセフは、被災した学齢期の子どもたち5万人が一日も早く教室に戻ることができるよう、支援を続けています。

更なる資金が緊急に必要

支援物資の準備を行うスタッフやボランティア。
© UNICEF/UNI181303/Waradi
バヌアツの首都ポートビラで、被災した子どもたちのために学用品などの支援物資の準備を行うスタッフやボランティア。

3月23日現在、ユニセフはサイクロン・パム被災地での活動資金として、76万9,000米ドルの支援を受け取っています。

「命を守る支援物資は届きつつありますが、特に厳しい状況に置かれている離島の子どもたちに支援を届けていくためには、更なる資金が緊急に必要です」(アーレン代表)

被災地での人道支援は、物資の管理や輸送の面で大きな課題を伴っています。キリバスやソロモン諸島、ツバル、バヌアツはいくつもの島から成る島嶼国で、バヌアツだけでも83の島があります。そのため、物資の調達や輸送に多大な費用がかかります。

* * *

■バヌアツの状況(3/23-24現在・国連まとめ)

  • 被災者数:22の島で16万6,000人、うち8万2,000人が子ども
  • 学校再開支援を必要としている子ども:5万7,000人
  • 安全な学習環境を必要とする子ども:5万〜7万人
  • 避難所として使用されている学校: 少なくとも 34校
  • これまでにユニセフが予防接種を実施した5歳未満の子どもの人数:7,417人

■ソロモン諸島の状況
テモツ州の被害が甚大

ユニセフは6月までの3か月間の緊急支援に必要な480万米ドル*の支援を国際社会に要請
*被害状況に応じて更新されます

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