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公益財団法人日本ユニセフ協会

マダガスカル:
「TAP PROJECT」水と衛生募金による支援
衛生教育や施設の整備で、下痢性疾患で退学する児童数ゼロへ

【2015年3月 アッチモ・アツィナナナ(マダガスカル)発】

日本ユニセフ協会からの資金提供で、ユニセフ・マダガスカル事務所は小学校で衛生習慣を向上させるプログラムを実施。
© UNICEF/PFPG2015-2462/Andriambololoniaina
日本ユニセフ協会からの資金提供で、ユニセフ・マダガスカル事務所は小学校で衛生習慣を向上させるプログラムを実施。学校に新しく設置されたトイレに並ぶ子どもたち。

TAP PROJECTを通じた募金に加え、ホームページや振込などを通じて、日本ユニセフ協会「マダガスカル 水と衛生募金」へ直接寄せられるご協力により、マダガスカル事務所は水と衛生に関するプロジェクトを展開しています。小学校で適切なよりよい衛生習慣を広めるため、教員たちと密に協力しながら取り組みを進めています。また、給水ポンプや手洗い施設の設置も行っています。

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水や衛生習慣が原因で体調を崩す子どもたち

アフリカ南東部の島国、マダガスカル共和国の南西地域にあるボヒツォア小学校に通う、9歳のボトツァラちゃん。1週間以上下痢に苦しんだボトツァラちゃんが、今日、再び学校に登校しました。両親は3.70米ドルほど払って薬を購入し、治療のために保健センターにも連れて行きました。そして幸いにも、ボトツァラちゃんは学校に通うことができるほどにまで回復しました。

担任のフェルナンド先生は安心した様子でボトツァラちゃんを迎え入れ、身体の調子を尋ねました。ボトツァラちゃんは恥ずかしそうに笑い、元気になり、友達と遊んだり学んだりできる学校に戻ることができて嬉しいと答えました。

かつてはボトツァラちゃんのように体調を崩す生徒が多くいたものの、ユニセフの支援のおかげで、今は滅多にそのようなことも起こらなくなったと、フェルナンド先生が語ります。

施設の整備や衛生教育を実施

新しく設置された手洗い場で手を洗う2年生の児童たち。
© UNICEF/PFPG2015-2461/Andriambololoniaina
新しく設置された手洗い場で手を洗う2年生の児童たち。

ユニセフ・マダガスカル事務所は日本ユニセフ協会から送られた資金援助を受け、水と衛生習慣に関するトレーニングを小学校や中学校の教員に実施し、学校での取り組みを支援しています。

今では授業のカリキュラムに衛生教育が定期的に組み込まれており、安全な飲み水や学校の新しいトイレについて、そしてトイレを利用した後や外で遊んだ後、食事の前に手を洗うことの重要性を教えています。

退学率も0%近くに

学校全体が、ユニセフ・マダガスカル事務所が校庭に新しく設置した給水所やトイレ、手洗い施設にとても感謝しているとフェルナンド先生が語ります。また、学校に水と衛生の設備が作られたことで、子どもたちへの衛生教育も容易になったといいます。2013年12月に提供された手押しポンプ式井戸が完成し、2014年には、水と衛生に関する総合的なプログラムが行われました。

「ユニセフの支援を受ける以前は、200人中10人ほどの児童が途中で学校に来なくなっていました。私たちの学校は貧しく、給水所やトイレ、手洗い施設を作るためのお金がありません。ユニセフのおかげで、このようなプロジェクトが子どもたちの生活にもたらす素晴らしい効果を実感しています。今は退学率が0%近くにまで減少し、子どもたちは勉強に集中できるようになりました」(フェルナンド先生)

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TAP PROJECT 2014 実施報告
みなさま、ご協力ありがとうございました

『みんなの募金箱』
© 日本ユニセフ協会/2014
『みんなの募金箱』の1,000の名前から、一生懸命自分の名前を探す子どもたち。

世界で7億4,800万人の人々が清潔で安全な水を使うことができず、不衛生な水と衛生環境が原因で、毎日平均して1,000人以上の子どもたちが下痢性疾患などの深刻な脱水症状に陥り、命を落としています。このような状況を知り、子どもたちに安全な水を届けることを目的に、「TAP PROJECT」が米国から日本に上陸し、立ち上がったのは2009年のことでした。以来、日本ユニセフ協会は、パートナー企業の協力のもと、全国のレストラン・カフェとの協働により、自然災害が多く、農村部の65%の人が清潔で安全な水を使うことができないマダガスカル共和国の農村部の地域における給水設備やトイレの設置、衛生習慣の普及活動を支援しています。

6年目を迎えた2014年。プロジェクトの趣旨に賛同いただいた多くのレストランやカフェ、企業の協力のもと、「TAP PROJECT JAPAN 2014〜きれいな水を世界の子どもに〜」を実施することができました。プロジェクトを通じて2014年、合計363万1,601円の募金が寄せられています。ご協力いただいた皆さまに、心より御礼申し上げます。

全国520店以上が参加

日本の「水の日」にあたる8月1日(金)、2014年の「TAP PROJECT JAPAN」がスタート。8月1日(金)〜31(火)の1カ月間、趣旨に賛同した全国、520店以上の飲食店が、お店で提供するお水に対して、きれいな水を子どもたちに届けるための募金をお客さまによびかけてくださいました。

日本では蛇口を捻れば清潔な水が簡単に手に入りますが、世界では、不衛生な水しか手に入らない環境のなかで生活し、命と健康を脅かされている子どもたちがいます。「常連のお客様だけでなく、お話をするきっかけになった、スタッフも趣旨に共感して募金を行った、改めて水の大切さを実感した」との声が全国から寄せられました。

全長10m 『みんなの募金箱』 が東京・二子玉川に登場!

8月1日(金)〜7日(木)までの1週間、パートナー企業の協力のもと、二子玉川に巨大な募金箱が出現しました。レストラン・カフェのテーブルで活用いただいている募金箱と形が同じ大型募金箱には、約1,000個の募金投入用の穴があけられ、それぞれにひらがなで名前がつけられていました。夏休み中の子どもたちが楽しそうに自分の名前の投入口を探し、親子で募金を入れたり、一緒に名前を探す親子が多く見られました。30万円以上の募金が寄せられるなど、大変ご好評をいただきました。

『TAP x GIANTS』 読売巨人軍も協力!

TAP x GIANTS
© 日本ユニセフ協会

TAP PROJECTに読売巨人軍のみなさんが協力してくださいました。8月中に東京ドームで開催された巨人軍のホームゲーム全15試合で、主力選手と原辰徳監督の直筆サインが入ったスペシャル募金箱が東京ドーム内1階に設置されました。また、ドーム内オーロラビジョンでTAP活動が紹介されたほか、8月2日には選手が参加して募金の呼びかけイベントが開催されました。

オンライン上で描き投稿された2,780件の絵が募金に

TAP WATER RELAY
© 日本ユニセフ協会

2014年は『TAP WATER RELAY』を実施。オンライン上で自由に描いた絵によって日本から支援先のマダガスカルまで「安全な水」がバケツリレーされる企画に、1カ月半で2,780作品が投稿。またオフライン・イベントとして都内で2日間開かれたワークショップのブースには、2,000人が訪れ、700人が実際にタブレット端末で絵を描き、たくさんの子どもたちの創造力・表現力を刺激する催しとなりました。この企画を通じて、投稿1作品につき100円がパートナー企業から寄付されました。

募金はマダガスカル共和国へ

TAP WATER RELAY
© 日本ユニセフ協会/HAKUHODO i-studio /2014
TAP WATER RELAYが参加した“ワークショップコレクション”では、描いた絵が実際に反映されたTAP WATER RELAYのサイト画面が会場のプロジェクターの壁一面に映し出され、子どもたちは思い思いの絵を描いて投稿しました。

2014年は、TAP PROJECT JAPAN 2014を通じて363万1,601円の募金をお寄せいただきました。これまでに、TAP PROJECTを通じた募金に加え、多くの方々から、ホームページでの募金や郵便振込などを通じて、日本ユニセフ協会「マダガスカル 水と衛生募金」へ直接ご協力をお寄せいただいております。

これらの募金は、マダガスカルの南東部にあるヴァンゲインドラノ地域で安全な水や衛生環境を確保するための活動に役立てられており、これまでに同地域の小学校47校において45カ所の井戸や給水施設および142基のトイレが完成、さらに2つのコミュニティで水道設備の建設が進められています。この水道から、地域の各世帯に加え、学校や保健センターに給水される予定です。支援対象校では、手洗い設備が整備されたほか、教員へのトレーニングや教材の提供などを通じ、子どもたちへの衛生教育にも力を入れています。子どもたちから家族、地域社会へと衛生習慣の改が進んでいます。

ご支援に心より感謝申し上げます。

TAP PROJECTにお店などで参加できなかった皆さまも、オンラインで、マダガスカルの「水と衛生」事業へのご支援を受け付けています。ご支援により、より多くの子どもたちを支援することが可能となります。皆さまのご協力をよろしくお願いします。

オンラインでいますぐ募金

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