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公益財団法人日本ユニセフ協会

ナイジェリア:
女子生徒の大量拉致から1年
繰り返される紛争で避難民の子どもは倍増

【2015年4月13日 ダカール(セネガル)/ジュネーブ/ニューヨーク発】

ユニセフが発表した最新レポートは、ナイジェリア北東部でのボコ・ハラム、政府軍、民間の自衛軍の間での紛争によって、80万人もの子どもたちが家を追われたと報告しています。

繰り返される悲劇、増え続ける行方不明の子どもたち

ボルノ州チボックで200人以上の女子生徒が誘拐されてまもなく1年が経過する今日、ユニセフが発表したレポート『失われた子ども時代(原題:Missing Childhoods)』は、ナイジェリア国内で避難を余儀なくされたり、国境を越えて隣国のチャド、ニジェール、カメルーンなどへ逃れる子どもの数が、1年も経たないうちに倍増していることを明らかにしています。また、紛争がナイジェリアとその周辺地域の子どもたちに、どれほど大きな犠牲をさまざまな形で強いているのか、その概要を示しています。

  • 紛争によって避難民となった人はおよそ150万人。そのうち80万人が子ども(1年間で倍増)です。
  • ボコ・ハラムが武装集団となった2009年以来、1万5,000人が殺害されており、2014年だけで7,300人以上が殺されています。
  • 拉致された子どもたちは、戦闘員、料理人、荷物運び、見張り役、また子ども自身が武器として使われています。
  • 少女たちは兵士との結婚を強要されたり、レイプの被害にあっています。
  • 学校の教員や生徒たちは、意図的に標的にされてきました。2014年末までに、300校以上の学校が壊され、少なくとも196人の教員と314人の生徒が殺されました。
  • 学校に行くことができないナイジェリアの子どもは、2007年時点の800万人から、1,050万人に増えました。これは世界で最も多い数です。

子ども時代を取り戻す権利

ボコ・ハラムに村を襲撃されから、避難生活を強いられているナイジェリアの親子。
©  UNICEF/NYHQ2015-0476/Esiebo
ナイジェリア北東部の国内避難民キャンプに身を寄せている1歳の女の子と母親。親子はボコ・ハラムに村を襲撃されから、避難生活を強いられている。

「200人以上の女子生徒が誘拐されたチボックの事件は、ナイジェリアやこの地域で途方もない規模で繰り返されてきた、終わりなき悲劇の一つにすぎません」と、ユニセフの西部・中部アフリカ事務所代表のマニュエル・フォンテーンは話しました。「ナイジェリアでは、誘拐、武装勢力による徴用、襲撃、また武器として使われたり暴力から逃げたりする中で、たくさんの子どもたちが行方不明になっています。彼らはみな、自分の子ども時代を取り戻す権利をもっているのです」

人道支援を強化する一方、深刻な資金不足に直面

ユニセフは、この危機への人道支援を強化してきました。この6カ月間、紛争で被害を受けたナイジェリア、ニジェール、カメルーン、チャドの6万人の子どもたちにカウンセリングや心のケアを提供して、彼らのつらい記憶やストレスを和らげ、精神的な苦しみに向き合うための支援をしています。また、安全な水や保健サービスを提供したり、仮設の学習スペースを設置して子どもたちが再び教育を受けられるようにしたり、栄養不良の子どもたちへの治療ケアの支援も行っています。

資金状況は非常に厳しく、ユニセフはナイジェリアとその周辺地域での人道支援活動への資金支援の増加を国際社会に訴えています。2015年にナイジェリアでの人道支援活動に必要な資金2,650万米ドルに対し、ユニセフが確保できているのはわずか15%です。またカメルーンでの活動資金に対しては17%、ニジェールでは2%、そしてチャドでは1%という状況です。

■ソーシャル・ネットワーク・キャンペーン:#bringbackourchildhood
ユニセフは、ナイジェリアでいまも拉致されたままでいる女子生徒たちはもちろん、紛争によって家族から引き離されたり、故郷を失ったたくさんの子どもたちの状況に、国際社会が目を向け、声をあげるプラットフォームとして、SNSサービスのひとつであるスナップチャットやツイッター、フェイスブックなどを利用したキャンペーンを開始しています。 キャンペーンの詳細は、特設サイト(英語)でご覧いただけます。

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