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公益財団法人日本ユニセフ協会

イエメン紛争 5週目に突入
増え続ける子どもの犠牲
115人が殺害、172人が重傷

【2015年4月24日 アンマン/ジュネーブ発】

空襲で被害にあった家の瓦礫の中を歩く男の子。
© UNICEF/NYHQ2015-0855/Hamoud
首都サヌア付近の村で、空襲で被害にあった家の瓦礫の中を、ノートを持って歩く男の子。

ユニセフ(国連児童基金)は、イエメンの紛争により、3月26日以降、少なくとも子ども115人が殺害され、172人が重傷を負ったと発表しました。

増え続ける子どもの犠牲

この紛争による子どもたちへの影響は計り知れません。これまでに犠牲となった子どもたちの人数は少なくとも、空爆で64人、不発弾や地雷で26人、銃弾で19人、爆撃で3人、更に、紛争に関連した何らかの原因で3人と推定されています。殺害された地域は、71人がイエメンの北部地域、44人が南部地域です。

ユニセフは現在、イエメンの紛争によって死傷した子どもたちの人数の確認を進めています。現段階の人数は少なく見積もられており、実際の人数は更に多くなる見込みです。

「何十万人ものイエメンの子どもたちが、最も危険な状況下での生活を続けています。子どもたちの多くが、深夜に鳴り響く爆撃や砲弾の音に、恐怖で目を覚ましています」と、ユニセフ・イエメン事務所代表のジュリアン・ハーネスは述べています。「犠牲となる子どもの人数が、この紛争がイエメンの子どもたちにとってどれほど悲惨であるかを明示しています。この暴力が一刻も早く終わらなければ、子どもたちは普段の生活に戻ることはできないでしょう」

学校や病院が攻撃の対象に

ユニセフはまた、3月26日以降、少なくとも子ども140人が武力グループによって徴用されていることを確認しています。そして23の病院が攻撃を受け、30の学校が損壊あるいは紛争に関わるグループによって占拠されています。

5週目に突入したイエメンの紛争下、最も苦しい立場に置かれているのは子どもたちです。武装勢力による徴用など、子どもたちが受けている重大な人権侵害を終わらせるためには、紛争当事者が国際法に基づく義務に応じるとともに、緊急の行動が必要です。すべての当事者が、病院や医療施設などの民間インフラへの攻撃と、学校の占拠を止めなければなりません。

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参考情報

■イエメン基礎情報

  • 出典:世界子供白書2015
  • 総人口: 24,407,000人
  • 子ども(18歳未満)の人口: 11,587,000人(総人口の47.5%)
  • 5歳未満児の死亡率: 51(出生1,000人あたり)
  • 栄養不良による発育阻害率: 5歳未満児の47%
  • 安全な水を利用できる割合: 55%
  • 初等教育純就学率: 87%
  • 成人識字率: 66%(女性は男性の61%程度)
  • 出生登録率: 17%

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