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公益財団法人日本ユニセフ協会

中央アフリカ共和国
武装勢力が子ども300人以上を解放
和解フォーラムでの合意を受け実現

【2015年5月14日 バンバリ(中央アフリカ共和国)発】

中央アフリカ共和国で武装勢力が子ども兵士300人以上を解放。
© UNICEFCAR/2015/Le Du
中央アフリカ共和国で武装勢力が子ども300人以上を解放。

中央アフリカ共和国で、武装グループの勢力下にいた300人以上の子どもたちが解放されました。その中には、12歳に満たない幼い子どもも含まれていました。今回の解放は、ユニセフの働きかけによって、武装グループのリーダーたちがすべての子どもの解放に合意したことで実現しました。

子ども300人以上を解放

解放の式典は、14日、バンバリ近郊で3回に分けて行われ、武装組織のアンチバラカと旧セレカのグループから合計で357人の子どもが解放されました。ユニセフは既に子どもたちへの心理社会的支援と家族との再会支援を開始しており、元のコミュニティに子どもたちが再び受け入れられるよう、今後も支援を続けます。

式典に立ち会ったユニセフ・中央アフリカ共和国事務所代表のモハメッド・マリック・フォールは、「2年におよぶ激しい紛争を経て、両グループが同じ日に子どもたちを解放したことは、平和に向けての大きな1歩です。暴力や恐怖がいま、子どもたちの明るい未来に変わったのです」と語りました。

解放された子どもたちはまず、健康診断を受け、ソーシャルワーカーと話す時間を持ちました。今後、治安状況が許せば、近隣に親族のいる子どもから自宅に戻ります。その他の子どもたちは、家族が見つかるまで、面倒をみてくれる里親の元に身を寄せます。

2012年にこの国で紛争が始まって以来、武装グループから一度に解放される子どもの数としては最多です。

人生と子ども時代を取り戻せるように

解放の式典に参加する、アンチバラカの勢力下にいた子どもたち。
© UNICEF/UNI184726/Le Du
バンバリで行われた解放の式典に参加する、アンチバラカの勢力下にいた子どもたち。

「中央アフリカで武装グループに徴用されている何千人もの子どもたちを解放するプロセスが始まりました。子どもたちが自分の人生と子ども時代を取り戻せるよう、一人ひとりに対し十分な支援と保護が必要です」(フォール代表)

中央アフリカの10の武装グループによる子ども解放の合意は、ユニセフ、国連中央アフリカ多面的統合安定化ミッション(MINUSCA)、中央アフリカ共和国政府の協力により、先週、首都バンギで開催された和解フォーラムにおいて署名されました。

子どもの解放を支援するため、更なる資金が必要

ユニセフは、この国の武装勢力下にある子どもは6,000人から1万人いると試算しています。この中には、戦闘員のみならず、性的奴隷、調理人、通信員など、さまざまな役割で利用されている子どもたちを含みます。

今回の合意では、新たな子どもの徴用はしないこと、また被害に遭った子どもを特定し、その解放を確実なものにするために、ユニセフやパートナー団体が武装グループの勢力下にある地域にただちに、そして制限なく入ることができるようにすることも約束されました。

中央アフリカでの人道支援資金が既に限られている中、ユニセフは、子どもの解放と家族との再会を進めるための更なる資金が必要になると警鐘を鳴らしています。現在、今年の資金として必要な739万米ドルに対し、ユニセフが確保できている資金は170万米ドルに留まっています。

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