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公益財団法人日本ユニセフ協会
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ネパール大地震緊急募金 第15報
安全に過ごせる場所が欲しい
現地で続くユニセフの支援活動

【2015年5月20日 ネパール発】

障がいのある子どもたちのためリハビリセンター附属病院で、ボールで遊ぶジャヤちゃん(11歳)
© UNICEF Nepal/K.Page
障がいのある子どもたちのためリハビリセンター附属病院で、ボールで遊ぶジャヤちゃん(11歳)

“勝利”という意味の名を持つジャヤちゃん(11歳)が、ベッドの上で笑い声をあげながらボールをキャッチしました。ここは、ネパールのカブレでユニセフが支援する、障がいのある子どもたちのためリハビリセンター附属病院(HRDC)です。ユニセフは、障がいのある子どもたちの照会と再建手術を含む治療を支援するとともに、ジャヤちゃんが遊んでいるボールのような遊具も提供しています。

ネパールで発生した二度にわたる大地震により、このリハビリセンター附属病院も損傷し、子どもや親たちは、建物の中にいることに非常に恐怖を抱いています。そこで、病院のベッドは屋外に運び出され、子どもたちが雨に打たれずに居心地よく過ごせるよう、ユニセフが提供する大型のテントが張られました。

安全に過ごせる場所がほしい

4月25日に発生したM7.8の大地震に引き続き、5月12日、ネパールは再びM7.3の大地震に襲われました。大きな揺れによって多くの人々が自宅に戻ることを恐れ、数千人もの子どもたちとその家族が、各地に設置されている避難施設に再び殺到しました。

倒壊した家屋の間をがれきをよけながら移動する女の子たち(ドラカ郡で)
© UNICEF Nepal/K.Page
倒壊した家屋の間をがれきをよけながら移動する女の子たち(ドラカ郡で)
生後6カ月の娘を抱き寄せる母親のシャンティさん。
© UNICEF Nepal/Kiran Panday
生後6カ月の娘を抱き寄せる母親のシャンティさん。

カトマンズから北東に180キロ程離れた場所に位置しているドラカ郡は、12日の大規模地震の震央地域です。そのドラカ郡のビメシワールで、一時避難所に身を寄せている母親のシャンティさんが、生後6カ月の娘の手にそっと頬を寄せています。多くの家族が家を失い、幼い子どもがいても、安全に過ごす場所さえないのです。ユニセフは、ドラカ郡やシンドゥパルチョーク郡など、12日の地震による被害が最も大きかった地域での支援活動を強化しています。

ドラカ郡ビメシワールでユニセフが支援する治療テントを訪れた家族。子どもたちは全壊した家屋の下敷きとなり傷を負った。
© UNICEF Nepal/Kiran Panday
ドラカ郡ビメシワールでユニセフが支援する治療テントを訪れた家族。子どもたちは全壊した家屋の下敷きとなり傷を負った。

頭に包帯を巻いた5歳の娘を抱く母親のビンダさん。ビメシワールでユニセフが支援している治療用テントの前に立っています。隣には、父親が3歳の息子を抱いてしています。この子どもたちは、12日の地震が起こった時、家の外で遊んでいて、全壊した家屋の下敷きとなりました。母親のビンダさんががれきを掘り起こし、子どもたちを救い出すまでに1時間を要しました。更に3時間をかけて、傷を負った子どもたちを病院に連れて行ったのです。その時、父親は仕事のために単身で別の郡で暮らしていましたが、家族のために戻ってきて現在は一緒に暮らしています。

ユニセフの支援活動−命を守るために

4月25日に発生した地震から、もうすぐ1カ月が経とうとしていますが、今なお、170万人もの子どもたちが支援を必要としています。ユニセフは地震発生直後から、子どもたちの命を守るための、テント、飲料水、衛生資材、医薬品などの提供のほか、24時間体制で緊急支援活動を続けてきました。

ダジン郡の被災地に設置されたユニセフの「子どもにやさしい空間」で縄跳びをとぶレジナちゃん(10歳)
© UNICEF/PFPG2015-2806/Page
ダジン郡の被災地に設置されたユニセフの「子どもにやさしい空間」で縄跳びをとぶレジナちゃん(10歳)

その他にも、複数回にわたる地震で大きなストレスを感じている子どもたちへの心理社会的ケアに重点を置いて活動をしています。避難所に子どもたちが心理社会的支援を受けられる“子どもにやさしい空間”の設置・運営や、子どもたち向けのアートセラピーの実施、ネパールの都市から農村部まで90%のエリアをカバーするラジオ・ネパールと共同で、被災者への心理社会的ケアの一環となるラジオプログラムを提供しています。また、子どもたちが学び、安心して過ごしながら日常生活を取り戻すことができるよう、学校の再開支援や仮設の学習スペースの設置を行っています。

また、助産施設の少なくとも70%が倒壊もしくは被害をうけた地域もあり、地震発生以来、被災地では病院や助産施設外で出産する母親の数が30%以上増えているとみられます。生まれたばかりの子どもと母親の命を守るため、ユニセフはネパール政府などとともに、妊産婦や新生児への緊急の支援を進めています。

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