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公益財団法人日本ユニセフ協会

ブラジル
殺害される子ども、20年で倍増

【2015年7月16日ブラジリア(ブラジル)発】

13歳の女の子と母親。
© UNICEF/NYHQ2006-1316/Versiani
リオデジャネイロの町を見下ろす13歳の女の子と母親。※本文との直接の関係はありません。

ユニセフ(国連児童基金)は、ブラジルで『子ども・青少年法』が導入されて25年を迎えるにあたって新たに発表した報告書で、同国で殺害された子どもや10代の若者の数は、この20年間で2倍以上になったと発表しました。

殺害される子ども、20年で倍増

2013年、ブラジルでは、青少年が被害者となった殺人事件が1万500件に上りました。1993年には5,000件であり、110%以上も増加しています。2013年は、平均して毎日28人の子どもや若者が殺害されている計算になり、19歳未満の子どもの殺人事件数では、世界で2番目に多い国となっています。

報告書『ECA25年‐子どもと青少年の改善点と課題』では、次のことも指摘しています。

  • 先住民の子どもは、1歳未満で亡くなる可能性が先住民以外の子どもの2倍あり、教育などの分野においても、最も脆弱な立場にある。
  • 300万人以上の子どもや若者が未だ学校に通うことができず、そのほとんどは貧困層やアフリカ系ブラジル人、先住民、キロンボとよばれる集落(逃亡奴隷がルーツの集落)の子どもたちである。
  • 妊産婦死亡率も高く、出生10万人中61.5人の母親が、妊娠や出産に関連する理由で命を落としている。

一方、教育面で大きな前進も

しかし報告書は、1990年の法律導入以降、多くのブラジルの子どもたちの命と成長を守る政策や計画が実施され、この国が大きく前進したことも言及しています。

例えば、ブラジルでは4歳から17歳の子どもの93%が基礎教育を受けることができるようになりました。また、1990年から2013年の間に、学校に行けない子どもや青少年の割合は20%から7%に減少しました。

10歳から18歳の若者の非識字率も、1990年当時の12.5%から2013年には1.4%と、88.8%も減らすことができました。この減少は、特にアフリカ系ブラジル人の若者の間で顕著にみられています(約91%の減少)。

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本報告書は、20年以上にわたって子どもと若者の権利を守る活動を続けている市民グループANDIの協力の元で作成されました。報告書(ポルトガル語のみ)の原文は、こちらからご覧いただけます。

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