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イエメン紛争
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© UNICEF/UNI187333/Farra |
「いつも家の中でひとり、窓の外を眺めています。一歩も外に出られません。爆弾で死んでしまうのではないかと、怖くてたまらないのです。ずっと貧しかったけれど、今みたいに命の危険を感じたことはありませんでした。紛争を止めてください」と語った、安全な場所を求めて身を潜める12歳の男の子。 |
ユニセフ(国連児童基金)中東・北アフリカ地域事務所代表のピーター・サラマは、3日間のイエメン訪問を終え、自身の目で確かめた、残虐な紛争が子どもたちに及ぼしている影響について報告しました。
ユニセフは今回の訪問で、今年3月に紛争が激化して以来、365人の子どもが殺害されたという新たなデータを確認しました。その他にも、ユニセフとパートナー団体が実施したモニタリング調査では、子ども484人が負傷したことが明らかになっています。人道支援のために連合軍側が設定した5日間の停戦を前に、サラマ代表は次のように話しました。
「これらの数値は、イエメンの子どもたちが、どれだけこの卑劣な暴力の罪なき犠牲者になり続けているかを明確に示しています。このようなことは決して容認できません。紛争の終わりが見えないなかで、子どもたちの安全や幸福は、あらゆる軍事的また政治的判断よりも、はるかに重視されなければなりません」
© UNICEF Yemen/2015 |
発育検査を受ける子ども。 |
紛争による直接的な影響の他にも、数百万人の子どもたちが、はしかやマラリア、下痢、肺炎など、予防可能かつ治療可能な感染症にかかり、それが原因で命を落とす危険に直面しています。さらに、100万人以上の子どもたちが急性栄養不良の危険に晒されています。
「子どもが死傷することと同じくらい悲劇なのは、この紛争が引き起こす間接的な影響です。長期間にわたって更に子どもの死亡数を増やし、その世代全体に影響を及ぼします。紛争は、この地域の最貧国で暮らす子どもたちの悲劇を増大させているのです」(サラマ代表)
ユニセフは、以下のことを呼びかけています。
ユニセフは、子どもと妊産婦の生存や栄養、水と衛生、教育、保護の分野で支援活動を拡充しています。紛争下にあっても、130人のユニセフ職員がイエメン国内で活動を続けています。
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■参考情報
イエメン主要数値(7月24日現在)
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