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ウクライナ東部
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© UNICEF Ukraine / 2015 |
届けられた支援物資を確認するユニセフのスタッフ。 |
ウクライナ東部の紛争地帯でHIVと共に生きる人々の命を支える抗レトロウイルス薬を積んだ最初の貨物機が17日、同国に到着しました。追加の薬も追って届く予定です。
これは、ウクライナ東部の政府の統治下にない地域で暮らす子どもやおとなへの緊急HIV/エイズ支援のため、ユニセフ(国連児童基金)と世界エイズ・結核・マラリア基金との間で交わされた370万米ドルの支援の合意を踏まえ、初めて実施された抗レトロウイルス薬輸送でした。
この合意では、おとなと子ども合わせて8,000人以上のHIV感染者への抗レトロウイルス治療を1年間支援することに加え、3万1,000人以上の妊婦とその子どもへのHIV検査の支援が取り決められました。ユニセフとパートナー団体や製薬会社との緊密な協力によって、経費を大幅に抑え、調達量を増やすことが可能となりました。
ユニセフは、もし抗レトロウイルス薬の毎日の服用が中断されれば、ドネツクやルガンスクなどの紛争地域でHIVと共に生きている多くの子どもやおとなたちの健康が脅かされると警鐘を鳴らしています。
たとえ一時的にであっても、治療を中断してしまうとHIV感染者の体に薬剤耐性が生まれる危険が高まり、進行してエイズになり、死に至ることもありえます。HIVに感染した妊婦の場合、母親自身の健康が脅かされるだけでなく、胎児に感染するリスクも高まります。
ユニセフのHIV/エイズ担当チーフのクレイグ・マックルールはこう話しています。「紛争地域への医薬品の安全な輸送を妨げることは、HIVと共に生きる人々にとって死の宣告に等しいのです。弱い立場に置かれた人々の命と健康は、地理的や政治的な対立よりも優先されるべきです」
また、世界エイズ・結核・マラリア基金の東欧部長 マリア・キロヴァ氏は、「パートナー団体を通じて、必須医薬品を継続的に必要としている厳しい状況のコミュニティに焦点を当てて支援をしています。こうした支援は、ウクライナ東部で暮らすHIV感染者の健康な生活を守るために不可欠です」と話しました。
ドネツクやルガンスクを含むウクライナの南東部一帯は、10万人中644件という、この国の中でもHIV感染率が高い地域です。東部の武力紛争は、HIVに感染している子どもたちやおとなたちの健康を、更に脅かしています。
政府の統治下にない地域でHIVと共に生きている人々は1万4,000人近くおり、そのうち8,000人が治療を中断せざるを得ない危険に直面しています。一方で、政府の統治下にあるその他の地域で暮らしている感染者の治療は、世界基金からの継続的な支援とウクライナ政府予算によって守られています。ユニセフは、必要な医薬品や検査キットの購入や配布を支援していきます。
「ユニセフは、ウクライナ東部の政府統治地域でも、政府統治下にない地域でも子どもたちやその家族に不可欠な物資や支援が滞らないよう、あらゆる手を尽くしています」とユニセフ中部東部ヨーロッパ・独立国家共同体地域事務所代表のマリーピエール・ポワリエールは話しました。「ユニセフは、政府や国連、民間のパートナー団体と共に、HIVと共に生きる人々が本当に必要としている支援を届けています」
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