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公益財団法人日本ユニセフ協会

国連機関 新報告書
子どもの栄養不良に関する新データ
1億5,900万人が発育阻害
過体重は増加傾向

【2015年9月22日 発】

ユニセフ(国連児童基金)、WHO(世界保健機関)、世界銀行は22日、『子どもの栄養不良に関する報告書2015年版(原題:Levels and trends in child malnutrition−Key findings of the 2015 edition)』の中で、発育阻害や低体重、過体重などを含む、子どもの栄養不良に関する最新の予測数値データを発表。これらの数値は、最近発表された「2015年グローバル栄養報告書(2015 Global Nutrition Report)」が示していた子どもの栄養不良に関する数値を更新するとともに、57カ国で実施した62の新しい調査結果を含んでいます。

1億5,900万人の子どもが発育阻害

今回新たに発表された2014年時点のデータでは、1億5900万人の子どもたちが発育阻害にあり、5,000万人の子どもたちが低体重、そして4,100万人の子どもたちが過体重にあることが明らかになりました。

発育阻害とは、乳幼児期の慢性的な栄養不良の兆候を示す指標です。栄養不足により身体的および認知的に十分成長できず、年齢相応に背丈が伸びていないことでわかります。母親が栄養不良の場合には、胎内にいるときから始まります。年齢相応に背丈はないが健康である一方、その影響は複数世代に渡って続きます。

栄養センターで栄養状態の検査を受ける子ども。(チャド)
© UNICEF/NYHQ2011-2139/Esteve
栄養センターで栄養状態の検査を受ける子ども。(チャド)

発育阻害に陥る子どもの割合は世界的には下落していますが、アフリカでは1990年以降、その割合が23パーセントも上昇しているほか、アジアを中心に1億5,900万人の子どもたちが発育阻害の影響を受けています。特に低所得国では、5歳未満児人口のうち栄養阻害に陥っている子どもの割合が高く、そうした子どもたちは、その後の成長や発達において不利な立場に置かれています。

低体重とは、子どもたちが年齢相応に体重が増加していない状態のことです。栄養不足または病気などを起因として、突然あるいは急性の栄養不良に陥り、時には死に至る緊急の危険に晒されます。低体重の5歳未満児が5,000万人おり、その68%がアジアの子どもたちです。また、5歳未満の低体重児のうち、約3分の1の1600万人は重度の低体重状態です。

発育測定を受ける子ども。(パキスタン)
© UNICEF/BNG-2014-Noorani-0310/Noorani
発育測定を受ける子ども。(パキスタン)

過体重とは、低体重の逆で、背丈に比べ体重が重過ぎる状態です。彼らは消費する以上のカロリーを摂取するため、こうした子どもたちは、将来的に非伝染性の疾患のリスクが高くなります。多くの人が当初考えていた予想に反して、2014年時点において、過体重の子どものほぼ4分の3がアジアとアフリカに集中しており、1990年の3100万人(4.8%)から2014年の4100万人(6.1%)へと、世界的に見てもその数は増加しています。最も増加しているのが低中所得国で、1990年以降でその数は2倍以上になっています。

これら5歳未満児の栄養不良の主な形態はいずれも、子どもや家族、地域社会や国の長期的かつ短期的な発展に対する脅威となります。

本報告書には、推測の基軸となる方法論の説明とともに、地域別の傾向や先進国、中所得国、開発途上国の比較などが図表、グラフ、地図を使って示されています。
詳細は報告書をダウンロードしてご覧ください。

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