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公益財団法人日本ユニセフ協会

シャキーラ ユニセフ親善大使
幼児期の子どもたちに投資を
国連本部で訴える

【2015年9月22日ニューヨーク発】

シャキーラ大使とユニセフ事務局長のアンソニー・レーク。
© UNICEF/NYHQ2015-2282/Markisz
2015年9月22日、国連本部で子どもの早期ケアと教育への投資を訴えたシャキーラ大使とユニセフ事務局長のアンソニー・レーク。

ユニセフのシャキーラ親善大使は、22日、潘基文 国連事務総長、ユニセフ事務局長のアンソニー・レーク、ハーバード大学子供開発センターのションコフ博士、およびビジネスリーダーたちとともに、ニューヨークの国連本部で開催されたイベントに参加しました。その中でシャキーラ大使は、早期幼児開発により多くの投資をするよう、世界のリーダーたちに促しました。これは、幼い子どもたちの脳の発達におけるこれまでの理解に革命的変化をもたらす、新たな研究結果を受けてのものです。

幼い子どもたちへ投資は急務

「1億人以上の子どもたちが学校に行っておらず、1億5,900万人もの5歳未満児が身体的よび認知的に発育阻害の状態にあります。私たちが幼児期の開発に対し多大な投資をすることなく、またこうした課題に取り組むための行動もせずにいれば、毎年何百万人もの子どもたちが貧困のなか、機会が与えられないなかに生まれることになります。幼い子どもたちへ投資は急務であり、時間の余裕はありません」(シャキーラ大使)

脳の発達は幼児期に最も集中しており、毎秒1,000近くの神経接続(神経結合)が起きています。これらの初期のシナプスの結合は、学ぶことや変化に適応すること、逆境を処理できる生涯能力など、子どもの健康とよりよい生活への基礎となります。しかし、低中所得国における5歳未満児の3分の1近くは、幼児期の期間に起こるこの急速な成長と発達を妨げる環境で育っています。

脳の発達、環境的要因も

バングラデシュ訪問時、子どもに話しかけるシャキーラ大使。
© UNICEF/NYHQ2007-2054/Noorani
バングラデシュ訪問時、子どもに話しかけるシャキーラ大使。

新しい科学的研究によって、幼児の発達段階にある脳は、遺伝的な影響とともに環境的な影響も受けていることが示されました。栄養不足、刺激の欠如、悪いストレスなどははすべて、脳の発達に悪影響を与える可能性があります。しかし、その研究はまた、母乳育児や読み聞かせ、遊びなど、費用対効果の高い幼児期のケアが、正式な早期教育プログラムなどと同様に、健康な脳の発達をサポートしていることも示しています。

これらの発見は、極度の貧困の中で育ったり、家庭内暴力にさらされたり、あるいは紛争やその他の危機の影響下にある国で暮らす子どもたちに対し、重要な意味を持っています。成長する脳にこれらの影響が与えられると、実際に遺伝子の発現を変化させ、次世代に影響を与える可能性を持っています。

早期に、公平な投資を

ユニセフ事務局長のアンソニー・レークは、「きちんと栄養が摂れているか、適切な刺激を受けているか、あるいは暴力から守られているかなど、子どもの脳に影響を与えるすべての要素について、我々が今学んでいることは、幼児期の発達についての考え方や、その対応方法を間違いなく変えるだろう」と述べています。「すべての子どもたちが人生において公平な機会を得るために、教育はもちろんのこと、保健や栄養、保護の分野において、早期に、公平に、そして賢く投資する必要があります」

幼稚園で積み木を使って遊ぶ3歳の男の子。(モンゴル)
© UNICEF/NYHQ2010-0458/Cullen
幼稚園で積み木を使って遊ぶ3歳の男の子。(モンゴル)

持続的な発展を達成するための最も費用対効果の高い方法の一つとして、幼児期への投資を指し示す証拠があります。73カ国で実施された、就学前教育を行うプレスクールへの入学の増加に関する調査で、投資1ドル毎に将来賃金が6ドルから17ドル高くなり、長期的にみると、11ドルから340億ドルもの潜在的な利益につながることが明らかになりました。

費用対便益比では、早期幼児開発に費やした投資額1ドルあたり平均で4〜5倍の利益となることが示されており、さらに高くなるケースもあります。

「この新たな発見を理解し行動に移すことによって、何百万人もの最も苦しい立場にある子どもたちの人生を変えることができます。持続可能な開発目標のこの機運は私たちと共にあります。そして行動する力は私たちの手の中にあります」(レーク事務局長)

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