【2017年9月9日 パナマシティ(パナマ)、ニューヨーク発】
ハリケーン「イルマ」による深刻な被害状況が明らかになるなか、ユニセフ(国連児童基金)は、影響を受けている子どもたちのニーズを満たすための緊急支援を実施しています。
© UNICEF/UN0120004/Bradley |
大西洋史上最強といわれるハリケーン「イルマ」は、東カリブ諸国に甚大な被害をもたらしました。特に被害が大きかったのは、バーブーダ島および英領アンギラ島です。約2万人の子どもと若者が、これらの島々で影響を受けていると推定されます。
「地域における被害の全容は、未だ把握できていません」とユニセフ・東カリブ地域事務所代表のキン・サンディ・ルウィンは述べました。「多くの子どもや家族が家を失い、コミュニティも破壊されています。安全な水の供給なしには、水に起因する病気の感染リスクは高いままです。家を失った多くの家族のニーズと緊急の度合いが明らかになるのには数日かかると考えています」
8日、アンティグア・バーブーダ政府はバーブーダ島に緊急事態を宣言し、750人の子どもを含む1,600人の島民はハリケーン「ホセ」の上陸の可能性を受け、アンティグア島に避難しました。
バーブーダ島では、電気や水道サービスが利用できず、唯一の学校も破壊され休校状態になっています。アンティグア島では、避難者に向けてシェルターが用意されており、ユニセフは事前に備蓄していた支援物資の配布を進めます。
© UNICEF/UN0119989/Bradley |
他の地域における状況も深刻です。英領アンギラ島および英領バージン諸島においては、それぞれ 4,800人と9,500人の子どもが影響を受けています。電気と水は使用できず、電話回線は不通となり、多くの学校は破壊されました。
タークス・カイコス諸島では、約 1万人の子どもが影響を受けています。
ユニセフの優先事項は、影響下にある地域のコミュニティに安全な水を提供し、影響を受ける子どもや家族に対して心理社会的サポートを提供し、学校の修復や「子どもにやさしい空間」の設置を通して、子どもたちが教育を再び受けられるようにすることです。
バルバドス島およびアンティグア島にユニセフが備蓄していた緊急支援物資は、各国当局と協力して、最も影響を受けている地域のコミュニティにおいて迅速に配布されます。最初の供給物資には、避難した家族向けのテント、浄化剤や衛生キットが含まれます。また、防水シート、毛布、折りたためる水容器などの支援物資が、パナマにある緊急支援用倉庫とコペンハーゲンにあるユニセフ物資センターから輸送されています。
また、6歳から14歳までの最も影響を受けている子どもと若者に対し、遊びを通して心のケアを行うプログラム「Return to happiness」を通して心理社会的支援を届けるため、訓練を受けた専門家を他の国々からも現地へ応援派遣しています。
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自然災害の影響を受ける子どもたちに、緊急・復興支援活動を行うユニセフの活動を支えるため、日本ユニセフ協会は『自然災害緊急募金』を受け付けています。みなさまのあたたかいご協力をお願いいたします。
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