【2018年11月13日 東京発】
日本ユニセフ協会大使の長谷部誠選手(ドイツ・プロサッカーリーグ1部アイントラハト・フランクフルト所属)が、現地時間12日と13日の2日間(日本時間12日夜~14日未明)、ユニセフの難民支援活動の最前線のひとつ、ギリシャの難民キャンプを訪問しています。
© 日本ユニセフ協会/2018/satomi.matsui |
ユニセフ(国連児童基金)は、2015年4月に始まったいわゆる「欧州難民危機」をきっかけに世界各国で難民・移民問題が深刻化する中、2016年9月、『ふるさとを追われた子どもたち:拡大する難民・移民危機(原題:Uprooted - THE GROWING CRISIS FOR REFUGEE AND MIGRANT CHILDREN)』と題する報告書を発表。難民や移民と呼ばれる少なくとも5000万人の子どものうち、約2800万人は紛争等の暴力で故郷を追われていること(注:現在は3000万人超と推測)、多くの子どもたちが単独で国境を越え、密航業者や人身売買業者などによるものを含めた搾取や虐待のリスクに晒されていることなどを指摘しました。現在も、特に自ら声を出すことが難しい立場に置かれた子どもたちが直面する様々な課題に対する国際社会の関心と行動を喚起するとともに、欧州諸国でも、現地のユニセフ協会や政府などと連携しながら、難民や移民の子どもたちへの支援活動を展開しています。
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ドイツでの日々の生活の中で目にするようになった難民や移民の子どもたちの姿に、かねてから「何かできないか?」との思いを募らせていた長谷部選手。ギリシャに到着後まず向かったのは、約1500人が暮らすギリシャ最大規模の難民キャンプ、エレオナス難民キャンプ(Elaionas Open Accommodation Site)です。キャンプ内の学習センタ―では、難民の子どもたちがギリシャ語を学んだり、学校に通えなかった時期のブランクを埋めるために補習授業を受けたりしています。サッカー選手を夢見る子どもも少なくありません。長谷部選手は子どもたちに夢を尋ねたり、サッカーをして交流を深めました。
長谷部選手は、訪問1日目を終えて、「(仕事と生活の拠点の)ドイツでも、普通に難民の方が路上で寝ていらっしゃったりしているなど、日常的に、難民・移民の問題を感じていました。大変な状況の中に居るのにも関わらず、未来を見ている子どもたちの姿に心を打たれました」「一人で、こうした状況を変える事はできませんが、一人ひとりがこうした状況に関心を持ち続けることが大事だと思います」と述べました。
2日目の13日は、Skaramangkas難民キャンプを訪問するほか、子どもたちの家庭を訪問して子どもや保護者から状況を聞き取るなど、難民となった人々の置かれた状況を精力的にレポートします。
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