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日本ユニセフ協会
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長谷部誠選手、ギリシャ訪問2日目
シリア難民の子ども宅を訪ねる これからも自分のできることを

【2018年11月14日  東京発】

ギリシャ訪問2日目の11月13日(火)、長谷部選手は、アテネ市内から車で50分ほどの「エスカラマンガス難民キャンプ」を訪問し、サッカーを通じて子どもたちと交流しました。その後、キャンプで暮らすタレック・アルヘラルさん(13歳)の家を訪ねました。

想像を絶する状況

タレックさんの両親から、シリアからギリシャに逃れて来た時の様子を聞く長谷部選手。

© 日本ユニセフ協会/2018/satomi.matsui

タレックさんの両親から、シリアからギリシャに逃れて来た時の様子を聞く長谷部選手。

タレックさんは、サッカー、バスケットボール、ダンスが大好き。特に、日課にしているサッカーは「沢山のことを教えてくれるから好き」と言います。他の同年代の子どもたちと同様、午前中はユニセフが支援するキャンプ内の学習センターに行き、午後は通学バスでアテネ市内の公立中学校に通っています。

タレックさんは、シリアのデリゾール(Deir Ez Zor)出身です。兄弟姉妹は11人いましたが、1人は出産直後に亡くなり、もう1人はシリア国内の空爆で命を落としました。タレックさんのお父さんは、シリアで小学校の校長先生をしていましたが、戦争が始まり学校が閉鎖されてしまいました。ある日、イスラム国から逃れてきたヤジディ教徒の女の子2人を、危険を承知で自宅にかくまったことから、イスラム国に捕まり刑務所にとらわれました。死刑宣告を受けましたが、なんとか逃げ出すことができ、トルコに逃れました。その後、家族もトルコに避難しました。2カ月続いた家族の“旅”の道中は、長男のタレックさんが、一家の安全を守る責任者でした。トルコでお父さんと再会したタレックさんは、農家で果実の収穫を手伝いながらお金を貯め、家族でギリシャに渡りました。

「シリアでは私たちは幸せだった。でも危険だった。今はギリシャでは安全だけれど、幸せではない。将来の計画を立てられないから。今は家族を守ることで精いっぱいです」と、タレックさんのお父さんは話します。

ユニセフ親善大使として

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© 日本ユニセフ協会/2018/satomi.matsui

子どもたちとサッカーする長谷部選手。

長谷部選手は、「本当に想像を絶するような状況を経てここに来て、この先もまだ見通せていないという話を聞いて、この方々にはまだまだ支援が必要なのだということを感じました。あんなに狭い場所に、おとな2人と子ども9人が生活している。日本ではなかなか感じられない事だと思う。だからこそ、自分が、こうしたことを伝えていくことが必要だと考えています。これからも、自分がやれることをしっかりやっていきたい、という想いを新たにしました」と語り、2日間にわたる初めての難民キャンプ訪問を終えました。

 

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