【2019年8月26日 東京発】
日本ユニセフ協会と山形大学と㈱竹中工務店が、2015年5月から7月にかけて宮城県石巻市で実施した、子ども参加型の復興支援の取り組み「子どもたちが描くみんなの公園 ワークショップ」が、子どもや子育てに関わる社会課題解決に取り組む製品やサービス、活動、研究などを顕彰する『第13回キッズデザイン賞』を受賞しました。
ユニセフ(国連児童基金)は、世界150以上の国と地域で展開する支援活動の中で、子どもたちが支援を受ける側としてだけではなく、様々な活動のプロセスにも参加し、支援や施策そのものにも子どもたちの声が取り入れられる機会づくりに力をいれています。ユニセフ本部の支援を受け東日本大震災発生直後から緊急支援活動を続けていた日本ユニセフ協会も、ユニセフのこうした考え方に基づき、2011年後半より、「まちづくり学習」「子どものまち」「冒険遊び場」「ふるさと復興ワーク」の4つを柱とする「子どもにやさしい復興計画」支援活動を展開。都市計画・まちづくり学習の専門家である山形大学の佐藤教授と子ども環境学会「東日本大震災復興プラン国際提案競技」コンペで最優秀賞を受賞した竹中工務店とも協働し、岩手、宮城、福島の各県で、子どもたちの声やアイディアを地元行政と共有する活動を続けました。
「子どもたちが描くみんなの公園ワークショップ」の舞台となった宮城県石巻市では、2013年9月、津波に加え大きな火災により甚大な被害を受けた門脇町をはじめとする「新門脇地区」で、大規模な区画整理事業がスタート。日本ユニセフ協会は、震災発生直後から学校や給食の再開支援など様々な形で協力・連携してきた石巻市はじめ関係各所に対し、岩手県大槌町や宮城県仙台市等で進めていた事例を参考に、新門脇地区の復興事業でも“子どもの参画”の機会を創出することを提案。「ワークショップ」が実施される運びとなりました。
© 日本ユニセフ協会/2015 |
全6回のワークショップには、震災時の火災で全焼し2015年3月に廃校された門脇小学校の最後の卒業生も通う門脇中学校の1年生(3クラス・81名)が参加。門脇の歴史や自然などの周辺環境や、自分の意見や考え方を発表することの大切さと「まちづくり」の基本的な考え方や手法などを学びながら、そこに住む人たちのための「みんなの公園」の姿を模型で表現しました。
最終回の発表会には、石巻市や復興事業を進める事業者の方々も多数参加。日本ユニセフ協会と山形大学、㈱竹中工務店は、まちづくりや公園設計の専門家の方々などの協力も得て、3か所の公園に対して子どもたちから出された14のアイディアを集約し、それらのアイディアを法律や予算等の枠組みの中で“具体化”させる作業を行い、石巻市に提出いたしました。
子どもたちが描いた「かどのわき西公園」は、2017年8月に。「かどのわき中央公園」と「まねき公園」は、2018年2月に開園しています。
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第13回キッズデザイン賞 受賞概要
【応募番号】: 190284
【応募企業・団体名】: 公益財団法人日本ユニセフ協会/国立大学法人山形大学/株式会社竹中工務店
【受賞作品名】: 子どもたちが描く みんなの公園 ワークショップ
【受賞部門】: 子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門
【受賞カテゴリー】: コミュニケーション D11.地域理解・地域交流
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「子どもたちが描くみんなの公園ワークショップ」全6回の様子は、動画でもご紹介しています。詳しくは、こちらをご覧ください。
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