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公益財団法人日本ユニセフ協会
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東日本大震災復興支援 第259報
石巻・門脇地区の復興事業に
地元の子どもたちが参加

【2015年7月10日 石巻発】

石巻市立門脇中学校と日本ユニセフ協会は、震災復興プロセスへの子ども参加の取り組みの一環として2015年5月8日から7月10日まで、「子どもたちが描くみんなの公園」ワークショップ(全6回)を実施しました。

© 日本ユニセフ協会/2015
第1回ワークショップ(5月8日)の様子
© 日本ユニセフ協会/2015
第2回ワークショップ(5月15日)の様子

子どもたちの声を取り入れる

ユニセフ(国連児童基金)は、世界150以上の国と地域で展開する支援活動の中で、子どもたちが支援を受ける側としてだけではなく、様々な活動のプロセスにも参加し、支援や施策そのものにも子どもたちの声が取り入れられる機会づくりに力をいれています。ユニセフ本部の支援を受け東日本大震災発生直後に被災地支援を始めた日本ユニセフ協会(東京都港区・赤松良子会長)も、こうした考え方に基づき、2011年後半より、「まちづくり学習」「子どものまち」「冒険遊び場」の3つを柱とする「子どもにやさしい復興計画」支援を展開。都市計画・まちづくり学習の専門家である山形大学の佐藤教授や子ども環境学会「東日本大震災復興プラン国際提案競技」コンペで最優秀賞を受賞した竹中工務店と協働で、子どもたちの声やアイディアを地元行政と共有する活動を続けています。

「まちづくり学習」では、被災した公立小中学校を統合した小中一貫校づくりを進める岩手県大槌町の要請を受け、2011年末から2012年頭にかけ「未来の教室を考えよう」ワークショップを実施。子どもたちのアイディアも生かされた新校舎が、2016年秋に完成する予定です。また2012年からは、宮城県仙台市内で最も大きな津波被害を受けた若林区の中で、大きな被災は免れながらも、復興住宅の整備や地下鉄の新路線の建設などで周辺のまちの姿が大きく変わりつつある七郷小学校の子どもたちを対象に、「未来の七郷まちづくり」ワークショップを実施しています。(2015年3月の『国連防災世界会議』会場でも、その成果の一部を発表しました)

© 日本ユニセフ協会/2015
第3回ワークショップ(5月22日)の様子
© 日本ユニセフ協会/2015
第4回ワークショップ(6月16日)の様子

門脇での取り組み

津波に加え大きな火災により甚大な被害を受けた宮城県石巻市門脇町をはじめとする「新門脇地区」と呼ばれる地域では、2013年9月、大規模な区画整理事業が始まりました。こうした中、日本ユニセフ協会は、震災発生直後から学校や給食の再開支援など様々な形で協力・連携してきた石巻市はじめ関係各所に、大槌町や七郷小学校の事例を参考に、新門脇地区の復興事業でも“子どもの参画”の機会を創出することを提案。『子どもたちが描くみんなの公園』ワークショップを実施する運びとなりました。

© 日本ユニセフ協会/2015
第5回ワークショップ(7月3日)の様子
© 日本ユニセフ協会/2015
第6回ワークショップ「発表会」(7月10日)の様子

全6回のワークショップには、震災時の火災で全焼し本年3月で廃校となった門脇小学校の最後の卒業生も通う、門脇中学校の1年生(3クラス・81名)が参加。門脇の歴史や自然などの周辺環境や、自分の意見や考え方を発表することの大切さと「まちづくり」の基本的な考え方や手法などを学びながら、そこに住む人たちのための「みんなの公園」の姿を模型で表現しました。

7月10日の発表会には、保護者の方々に加え、石巻市や復興事業を進める事業者の方々も多数参加。日本ユニセフ協会では、現在、まちづくりや公園設計の専門家の方々などの協力を得て、今年秋口までの石巻市への提出を目標に、3か所の公園に対して子どもたちから出された14のアイディアの集約と、それらのアイディアを法律や予算等の枠組みの中で“具体化”に繋げる作業を進めています。

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