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公益財団法人日本ユニセフ協会
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東日本大震災復興支援 第253報
岩手県気仙地区で里親研修会を開催
里親子を地域で見守り、支えていくために

【2015年3月6日 岩手県大船渡市】

© 日本ユニセフ協会/2015

3月6日(金)、岩手県沿岸部の大船渡市、陸前高田市、住田町で構成される気仙地区で、震災以降3回目となる里親支援に関する研修会が児童家庭支援センター大洋の主催(日本ユニセフ協会支援)で開催されました。

今回の研修会には、主に、県内の児童相談所職員や児童養護施設職員、気仙地区の民生児童委員や家庭相談員などの市町職員の他、岩手県里親会の会員など、40名を超える方々が参加されました。

研修では、里親制度の基本について一関児童相談所の職員の方が説明。全国児童家庭支援センター協議会に加盟する山形県の「子ども家庭支援センターチェリー」の里親推進員の方に、具体事例として同県での里親支援の取り組みを、また、休憩を挟んで、岩手県内で養育里親をされている方による里親養育の体験発表と大洋学園の里親支援専門相談員からの活動報告をしていただきました。

児童養護施設で暮らす子どもたち

日本では今、保護者の不在や虐待などの理由で親と一緒に暮らせない子どもの90%近くが、児童養護施設をはじめとする施設で生活しています。里親委託率は全国平均で15%と他の先進国と比べると非常に低く、いわゆる「家庭的養護」は十分に提供されているとは言えない状況です。厚生労働省は、里親委託率を大幅に上昇させ、2029年までに、社会的養護を必要とする子どもたちの3分の1が、里親や里親に準ずるファミリーホームといった家庭的な環境で生活できるために必要な諸施策を講じる計画を立てています。

里親と里子を、地域全体で見守るために

岩手県では、東日本大震災後、親を失った子どもたちが祖父母やおじ、おばなどの親族からなる里親に委託されるケースが多かったことから、里親委託率は28.2%に増えました。しかし、一般的に「里親制度」や「社会的養護」すなわち里親や里子の方々を地域で見守り支えていくことの必要性に対する認識は低く、「支援」の立場にいらっしゃる方々が制度の大切さを分かっていても実践は少ないのが現状であり、よりよい支援のあり方や連携のあり方が模索されています。

「里親研修会」は、里親や民生児童委員、自治体職員など異なった立場にある方々に、地域の中でのつながりを作り、里親子支援のよりよいあり方について学んでいただける貴重な機会を提供しています。

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