【2020年4月15日 ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)などは本日、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによるロックダウンが行われ、子どもたちの生活がいっそうオンラインに移行する中、何百万人もの子どもたちへのリスクが高まっているとして、子どものオンラインの安全を守るための指針(英文)を発表しました。
© UNICEF/UNI313753/Georgiev |
「COVID-19のパンデミックは、かつてないほどのネット利用時間の増加につながっています」と子どもに対する暴力撲滅グローバル・パートナーシップ(GPeVAC)のハワード・テイラー事務局長は指摘しました。「学校の閉鎖や厳しい外出制限により、多くの家族が、子どもたちが学び、楽しみ、外の世界とつながるために、デジタル技術に頼っています。しかし、すべての子どもがネット上で自分を守るための知識、スキル、リソースをもっているわけではないのです」
世界で、15憶人以上の子どもや若者たちが、学校の休校により影響を受けています。多くの生徒たちは今、オンラインで授業を受けたり、より多くのコミュニケーションをネット上でとったりしています。多くの時間をオンラインで過ごすことで、子どもたちはインターネットを介した性的搾取やグルーミング(性的虐待目的で子どもに近づいて信頼を得ようとすること)のリスクに晒されることになります。このパンデミックにつけ込もうとしている加害者がいるからです。友達などと顔を合わせる機会がないことは、性的画像の送付等のリスクのある行動に子どもたちを向かわせてしまうかもしれません。また、ネットの利用時間の増加や無計画な利用により、有害なコンテンツや暴力的なコンテンツに触れたり、ネットいじめのリスクが高まる可能性もあります。
© UNICEF/UNI319329/Veska |
ユニセフは、パートナー団体-子どもに対する暴力撲滅グローバル・パートナーシップ、国際電気通信連合(ITU)、ユネスコ、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)、WePROTECT Global Alliance、世界保健機関(WHO)、World Childhood Foundation USA-とともに、子どものオンラインの安全を守るための指針(英文、原題:COVID-19 and its implications for protecting children online)を発表します。これは政府、情報通信関連業界、教育関係者、保護者に対して、COVID-19の影響を受ける中、子どもたちのネット利用の潜在的リスクを減らし、子どもたちのインターネット利用が安全で前向きなものになるよう、注意と速やかな対応を求めるものです。
「COVID-19の陰で、何百万人もの子どもたちの生活は、一時的に、家とスクリーンの中だけに限られることになってしまいました。この新たな現実を子どもたちがうまく乗り切っていけるよう、サポートしなければなりません」とユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。「政府と産業界には、安全対策の強化や、保護者や教育関係者が子どもたちに安全なネット利用について教えるための新しいツールの提供などによって、子どもや若者のオンラインの安全を守るため協力することを求めます」
~リスク軽減のための行動指針~
COVID-19の状況の中で、子どもたちのオンラインのリスクを軽減するため、以下を含む行動を推奨します。
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