【2020年6月30日 アンマン(ヨルダン)発】
シリア紛争が子どもたちにもたらしたこと、それは近年の歴史の中で最も残忍なことのひとつです。危機が始まって以来、シリアでは約600万人の子どもが生まれました。彼らは、戦争と避難しか知りません。暴力により10時間にひとりの子どもが命を落とし、250万人以上の子どもがふるさとを逃れ、安全を求めて近隣諸国へ避難することを余儀なくされました。
© UNICEF/UNI310492/Al-Droubi |
しかし、シリアの人々は単なる数字ではありません。彼らは声を持っています。そして一人ひとりの意見に耳をふさいではなりません。
ユニセフは、最近実施されたギャラップ・インターナショナルによる世論調査の結果を取り入れました。調査では、シリア、ヨルダン、レバノンで暮らすシリアの人々に対面インタビューを行い、紛争が始まってから約10年間、彼らとその子どもたちが直面している最も深刻な問題と懸念について尋ねました。
調査対象はシリア人3,500人で、紛争の影響に関するシリアの人々の声に光を当て、人々のニーズにどのように対応すべきかを知ることを目的としています。
「紛争による暮らしや子どもたちへの影響、そしてこの最も残酷な紛争をどのように生き抜いてきたか、シリアの人々が語ってくれました」と、ユニセフ(国連児童基金)中東・北アフリカ地域事務所代表のテッド・チャイバンは述べました。「傷は深く、心の健康への影響が深刻であることは明らかです。また、子どもの教育と貧困が最大の懸念事項であり、主要な課題であることが分かりました」
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調査によると:
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学校に通えないシリアの子どもは280万人いるものの、シリア国内および近隣諸国の約500万人の子どもたちが、あらゆる困難に逆らいながら学習を続けています。これは主に、教師や現場のパートナー団体の努力、そしてユニセフのご支援者からの寛大な支援のおかげです。
「私たちは、前例のない寛大さを向けていただいているすべてのご支援者に感謝します。シリアの子どもたちが教育を続ける大きな助けとなりました。子どもたちが学習の遅れを取り戻し、また教育を継続できるように、シリアや近隣諸国の子どもたちへの寛大さを保持いただけるようお願いします。現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、ユニセフが支援する一部のセンターと子どもにやさしい空間での非公式教育が中断しており、大規模な資金がより重要になっています。これは、子どもたちとシリアの未来を守るために欠かせません」(チャイバン)
シリアの子どもたちに重要な支援を提供し続けるために、ユニセフは現在、シリア国内および近隣諸国でのプログラムに6億8,200万米ドルを必要としています。
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■ ギャラップ・インターナショナルは、2020年初めにシリア国内で調査を実施した。シリアの14の県すべてにおいて、2,552人への対面インタビューを実施。レバノンとヨルダンにおいても、シリア難民1,000人を対象に同様の調査が行われた。
■ 本調査は、3カ国でCOVID-19の症例が確認される以前に行われた。
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