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日本ユニセフ協会

自然災害緊急募金

パキスタン洪水
医薬品など32トンの緊急物資が到着
衛生環境悪化で感染症のリスク高まる

2022年9月4日パキスタン

ユニセフ(国連児童基金)は4日、パキスタン全土で壊滅的な洪水の被害を受けた子どもたちや女性を支援するため、命を守る医療品などの緊急物資32トンを届けました。

命を守る支援物資が子どもたちへ

ユニセフの支援で配布されている衛生キットの箱を受け取ったアムジャドさん(14歳)。自宅が洪水に襲われた後、家族とともに一時的な避難キャンプで暮らしている。(パキスタンのハイバル・パフトゥンハー州、2022年8月30日撮影)

© UNICEF/UN0696509/Zaidi
ユニセフの支援で配布されている衛生キットの箱を受け取ったアムジャドさん(14歳)。自宅が洪水に襲われた後、家族とともに一時的な避難キャンプで暮らしている。(パキスタンのハイバル・パフトゥンハー州、2022年8月30日撮影)

支援物資は、コペンハーゲンにあるユニセフの物資供給センターからパキスタンのカラチに到着しました。出荷されたのは、医薬品、医療物資、浄水剤、産科キット、栄養補助食品などです。ユニセフは、シンド州保健人口福祉省を代表とするパキスタン政府に物資を引き渡しました。この物資は、最も被害の大きかった72の地区のなかで、最も必要としている子どもたちや家族のもとに直ちに送られます。

ユニセフ・パキスタン事務所代表のアブドゥラ・ファディルは、「洪水によって、子どもたちや家族は基本的な生活必需品もないまま、野外に取り残されています。今回の物資は命を守る重要なものですが、必要な物資のほんの一部にすぎません。コレラ、下痢、デング熱、マラリアなど水に起因する病気の発生リスクは、人々が汚れた水を飲み、野外排泄を余儀なくされる中で、日に日に高まっています。また、蚊に刺されたり蛇にかまれたりする危険が高まり、皮膚や呼吸器系の病気も増えています。生きようとする子どもたちを支えるために、緊急の支援が必要です」と述べました。

また火曜日には、第2便として、寄生虫感染症の治療薬、蘇生・消毒キット、妊婦のための微量栄養素、教育資材、子どもたちの心のケアのためのレクリエーションキットなどを含む34トンの人道支援物資が到着する予定です。

困難を極める支援活動

洪水の避難民のためのテントで一時的に暮らす家族。 子ども9人を抱える一家は、 洪水で自宅も家畜も失った。 テントが見つかるまでの2週間、 道路脇の野外で座り込んでいたという。(パキスタン・シンド州、2022年8月29日撮影)

© UNICEF/UN0696533/Zaidi
洪水の避難民のためのテントで一時的に暮らす家族。 子ども9人を抱える一家は、 洪水で自宅も家畜も失った。 テントが見つかるまでの2週間、 道路脇の野外で座り込んでいたという。(パキスタン・シンド州、2022年8月29日撮影)

モンスーンの豪雨により、国土の3分の1が水没し、3,300万人以上が影響を受けています。その半数は子どもで、そのうち少なくとも340万人は命を守るための支援を緊急に必要としています。

多くの道路が洪水で寸断されたままで、救助活動は依然として困難を極めています。少なくとも5,000キロメートルの道路と約160の橋が破壊されたり損傷しています。

ユニセフは、あらかじめ備蓄されていた緊急物資を使い、この1週間で200万米ドル以上に相当する緊急支援サービスや物資を届けました。その中には、飲料水、浄水剤、衛生キット、医薬品、ワクチン、子どもや妊娠中・授乳中の女性のための栄養補助食、蚊帳などが含まれています。

パキスタンの洪水被害に対応する資金として、国連は1億6,000万米ドルの支援要請を発表しており、ユニセフはその一部として、命を守る支援を待つ子どもたちや家族を支えるために3,700万米ドルの支援を呼びかけています。

 

■ユニセフ「自然災害緊急募金」ご協力のお願い

自然災害緊急募金

地震や津波、洪水、台風やサイクロン、干ばつなどの自然災害に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。

その活動を支えるため、日本ユニセフ協会は、ユニセフ「自然災害緊急募金」を受け付けております。

パキスタンでの洪水の影響を受けた子どもたちを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。

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