気候変動に起因する干ばつは、エチオピアの何百万人もの子どもたちとその家族に影響を及ぼしています。
深刻な水不足により、人々は命や生活を懸けて、住み慣れた地から遠くへ移動することを、余儀なくされているのです。
ユニセフは、気候変動の影響に対応するため、干ばつ被害を受けた地域において、従来の探査技術に加え、衛星画像を用いて地下水の分布状況を地図に示す作業を実施しています。この革新的な技術で、ボーリング掘削の成功率を高めることにより、資源と時間の節約につながります。とはいえ、水を必要とする人々のニーズは高く、まだまだ追いつきません。
エチオピアで水を得るために苦労している女性や子どもたち、そしてユニセフの支援によって水を得ることができた家族に、「あなたにとって水とは何か」を尋ねました。
water is time – 水は時間
「私は長女なので、水を運ぶのは私の仕事です。弟や妹はまだ小さいので、水を汲んで家に持って帰るなんて、とてもできません。私は早朝にここに来て、ポリタンクに水を入れています。見てわかるように、井戸は深いし、水も日に日に少なくなっています。井戸から十分な量の水を汲むのには時間がかかるので、終わったら急いで学校に行きます。来年は高校生です。お医者さんになりたいです」
ナイマ、14歳
water is safety – 水は安全
「もし十分な水があれば、井戸の底まで下りなくてすむのに……。危ないんです。水をすくいやすいように、木の丸太を慎重に踏みしめて底まで下りています。家畜のヤギたちのために十分な量の水を汲むには、1時間以上かかるんだ。村の子どもたちも同じように、危険を冒して井戸の底まで下りていきます。怪我をした子もいるよ」
テウェケル、14歳
water is bringing people together - 水は人々を結びつける
「ここに給水設備ができる前は、ジャラという場所で半日かけて水を探していました。でも今は、皆ホッとしています。よそから牛を連れて来る人がいて、ここを訪れる人も増えているので、私は物を売るようになりました。それが私の収入になっています。水が人々を結びつけているのです」
ハディジャ、35歳
water is hope - 水は希望
「学校に行かなかったことを後悔しています。それには、いろいろな理由があります。木の下で授業を受けている子もいますが、それでは十分とは言えません。昔は何時間もかけて遠くから水を汲んできました。ここに水があるのはうれしい。水はすべてです。私たちにとっても、家畜たちにとっても、役立っています。年齢的には少し遅いですが、これから学校に通おうと思っています。幼い子どもたちと一緒でもかまいません」
ヌリア、18歳
water is her children’s health - 水は子どもたちの健康
「水が私たちにとってどんな意味を持つのか、言葉では言い表せないほどです。水こそがすべてなのです。私たちの住んでいる地域はとても乾燥していて、動物たちも苦しんでいました。近くに水がないため、子どもたちは1週間以上もお風呂に入れませんでした。私は今、幸せな母親です。簡単に水を汲むことができ、子どもたちを清潔で健康に保つことができるのです」
ハワ、38歳
water is education - 水は教育
「私たちの村には水がありませんでした。ポリタンク1個の水を汲むのに、2時間歩いたこともありました。今、私たちは水を手に入れることができます。動物たちも水を飲むことができるようになりました。ラクダもヤギも牛も、みんなです。近くに水があるから、私も学校に通い始めました。初めての経験です」
アブディア、18歳