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HOME > 協会からのお知らせ2006年 |
「新しい年を迎えるにあたり」 2006年も、イラク、レバノン、ダルフールをはじめ、世界各地で、多くの子どもたちが紛争や自然災害、そして私たちが「静かな緊急事態」と呼ぶ状況の犠牲となりました。国内でも、「いじめ」「虐待」「自殺」など、子どもたちを取り巻くニュースに、衝撃的で暗いものばかりだったように思える一年でした。 このような中、ノーベル平和賞に、バングラデシュでグラミンバンクを始められたムハマド・ユニスさんが選ばれたニュースには、とても勇気付けられました。 ユニスさんが、バングラデシュの小さな村で始められた小額無担保融資(マイクロ・クレジット)。20年経った今、世界60カ国にも広がっていると言われるこの活動の主な受益者は、貧しい農村の女性たちです。自分達が置かれている状況を、自分達の力でなんとかしていこう…そんな意欲を持った方々の背中を、「ちょっと」押してあげる。アジアやアフリカはじめ、世界中のユニセフの現地事務所からも、マラリア対策や予防接種の普及、HIV/エイズの根絶に頑張っている女性や子どもたちのストーリーが、沢山報告されました。テレビや新聞ではあまり伝えられないこうしたストーリーを、一つでも多く日本の皆様に知っていただきたい。そんな想いもあって、2006年11月、このホームページも刷新(リニューアル)致しました。 2006年12月に発表された『世界子供白書』のテーマも、女性のエンパワーメント(原題:Women and Children −The Double Dividend of Gender Equality)でした。 ジェンダーによる差別をなくし、女性のエンパワーメント(社会的地位の向上と能力強化)を実現することが、子どもたちの生存や健全な成長の促進につながることを訴えています。 ノーベル平和賞の選考理由は、「永続的な平和は、人々が貧困から抜け出さねば実現できない」だったと聞いています。全ての子どもたちが、肺炎や下痢のような簡単な病気では命を落とさない世界。銃声や爆弾の音に怯えなくて済む世界。人身売買、買春や苛酷な労働、いじめや虐待の恐怖に怯えなくて済む世界。学校に通えて、普通に友達と遊べる世界。そんな世界=「子どもたちにふさわしい世界」が実現できれば、それはすなわち、全ての人にふさわしい世界=「平和な世界」になるということ…ユニセフもそう信じています。 世界では年間1050万人、平均で3秒に一人の子どもが5歳までに命を落としています。でも、この数はここ1年半ほどで50万人も減少しました。お母さんたちやコミュニティーの協力を得て…というよりも、彼女達の背中を押してあげることで、子どもの死亡率を3年間で20%も改善することに成功した西アフリカの村々の例も報告されています。 日々伝えられる暗いニュースに埋没してしまいがちですし、一日や二日で目に「見える成果」が出てくるわけではありませんが、皆さまから寄せられたご支援は、着実に実を結んでいます。 2007年も、世界のお母さん方、そして子どもたちの「背中」を押してあげられるよう、引き続き、皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。 (財)日本ユニセフ協会
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