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公益財団法人日本ユニセフ協会

HIV母子感染の予防

HIVの母子感染を防ぐ方法

HIVの母子感染は、次のような方法で予防することができます。

妊婦健診時のHIV検査とカウンセリング

© UNICEF/HQ04-0118/Christine Nesbitt

大半の女性はHIVに感染していることにさえ気づかずに妊娠しています。だからこそ、妊婦検診の際のHIV検査が大切です。
検査は事前の同意のもと、任意で実施されることが基本です。そして、検査の前後には必ずカウンセリングを行います。
HIV/エイズや母子感染予防を正しく理解し、万が一感染していた場合に精神的なケアを行うために欠かせません。

子宮内での感染を防ぐARV治療

3つある感染経路のひとつが子宮内での感染です。これを防ぐためには、妊娠14〜34週の間に抗レトロウイルス薬の投与(ARV治療*)をはじめます。

* ARV治療:HIVウイルスが免疫細胞のなかで増殖するのをおさえる薬(抗レトロウイルス薬)を使った治療。母子感染の危険性を低くする効果もあります。抗レトロウイルス薬は、飲み忘れると効き目がなくなるため、毎日の服用を怠らないように十分指導する必要があります。

産道での感染を防ぐ帝王切開

© UNICEF/HQ04-1220/Ami Vitale

母子感染の経路でもっとも危険性が高いのは、出産時。胎児が産道で母体の血液にまみれ、その血液を飲み込んだりして起こる感染です。母子感染の50%は出産時に起きます。感染を防ぐためには、陣痛前の帝王切開術が望ましいとされています。また、出産時に適切に抗レトロウイルス薬を使うことで感染の危険が減ります。

新生児への投薬

新生児には生後8〜12時間のうちにシロップ状の抗レトロウイルス薬を与え、生後6週目まで投与を続けます。そしてHIVに感染していないことが完全に診断できる生後18ヶ月目までは、感染症(日和見感染症)にかかって免疫レベルが下がることを予防するためにコトリモクサゾールという薬を服用します。

代替乳育児

最後の感染経路、母乳からの感染を防ぐために、粉ミルクで育てます。
しかし、安全な水がない、粉ミルクが手に入りにくい等の理由で、母乳から感染するリスクよりも赤ちゃんが下痢や栄養不良で亡くなるリスクが高い地域もあります。大きなジレンマですが、お母さんが最善の方法を理解し、自分の意志で選択できるような支援が行われています。

(参考:「HIV母子感染予防対策マニュアル」第4版/厚生労働科学研究費補助金エイズ対策事業「HIV感染妊婦の早期診断と治療および母子感染予防に関する臨床的・疫学的研究」班 より)

  HIV母子感染とは? こうすれば予防できる 感染しているのはどんな女性たち?
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