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財団法人日本ユニセフ協会

UNITE FOR CHILDREN UNITE FOR PEACE

ネネ(12歳)
サッカーは暴力を切り抜けるための手助け〈アンゴラ〉

13歳のネネは、アフリカでもっとも貧しく危険な地域に住んでいます
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アンゴラの首都ルアンダにある主要な市場ロケ・サンテリオは、世界でもっとも貧しく危険な場所のひとつです。地元の人たちは、そこがアフリカで最大の市場だと言います。その真偽のほどはともかく、だれもが確信していることは、そこが犯罪の中心地だということです。

その市場は、ゴミ山、汚水、そして腐りかけた食べ物があちらこちらに散乱し、孤児であるストリートチルドレンで溢れかえっています。この子たちはいつも麻薬の密売人や暴力グループにいじめられています。そして、みんなからネネと呼ばれている12歳の家出少年もここで暮らしています。

ネネの父親は、彼が幼いときに亡くなりました。ネネが母親のもとから飛び出したのは2年前。

ユニセフ・アンゴラ事務所の所長ホセ・マリア・メンドーサはこう説明します。「夜ここに来たら、持っているものはすべて盗られてしまいます。着るものもね。命すら危険なところなんです。とても危険なところなんですよ」

ネネは、ほかのストリートチルドレンたちと共に、ユニセフが支援しているプログラムに参加しています。そのプログラムでは、子どもたちに基礎教育の教材を提供したり、サッカーをする機会を設けたりしています。

「生活が変わった」

暴力が横行する生活環境の中では、13歳の少年にとってサッカーが最高の楽しみ。

アンゴラは、世界で2番目に子どもの死亡率が高い国です。ネネや何千人ものアンゴラのストリートチルドレンにとって、「ゴール(目標)」そのものが「生存すること」なのです。そんな中で、ネネたちに希望と生きる力を与えてくれるのがサッカーとなっているのです。

「サッカーをしていると気持ちがすかっとするんだ。サッカーを始めて、学校に行くようになって、ぼくの生活は変わった。サッカーは良いことだから大好きさ。走り回って、足を動かしているのが好きなんだ。」

ネネはこの年齢で、すでに心にたくさんの傷を負っています。目の前で友達が何人も殺害されるのを見てきましたし、生きるためには食べ物や水を盗まなければならない状態です。彼を世話してくれる家族がいないのです。

「もちろん家族がいなくて寂しいよ。でも、今はときどきお母さんが会いに来てくれるし」とネネ。

最近のネネは、とにかく時間があればサッカーをしたいのだそうです。彼は毎日教会の運動場にやってきます。そこではユニセフがスポンサーになって、サッカーの練習や試合が行われています。サッカーをすることで、彼は自分の生活に中心となるものを見つけました。それだけでなく、サッカーは教育を受けるきっかけにもなったのです。

「サッカーも学校も、そして読み書きの勉強もみんな大好き。字も読んだり書いたりできるようになったよ」ネネはサッカーをして遊んでいる友達のほうに顔を向けたまま、笑顔で答えました。

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